五稜郭
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五稜郭(ごりょうかく)は、江戸時代末期に江戸幕府により蝦夷地の箱館(現在の函館市)郊外に建造された稜堡式の城郭です。
元の箱館奉行所は函館山の麓にありましたが、高台の為、周囲から丸見えで、外敵に対する防備に弱いとの事で、
現在の五稜郭の場所に移転されました。城郭は天守を持たず、平面的な城とされ、西洋風な石垣に囲まれた星形の城になっています。
1857年(安政4)から建設が始まり、7年後の1864年(元治1)に建造物がほぼ完成し、箱館山麓から奉行所がここに移りました。

五稜郭の周辺は元々が湿地地帯で、ネコヤナギがたくさん生えていたことから、別名柳野城とも呼ばれていたそうです。
榎本武揚が新政府軍と最後の戦いを行った「箱館戦争」の現場となったことは有名な史実です。

戊辰戦争後の1871年(明治4)には開拓使により、奉行所庁舎を含むほとんどの建物が解体され、陸軍練兵場として使用されました。

1914年(大正3)には五稜郭公園として一般開放されました。1952年(昭和27)には国の特別史跡に指定されています。
1985年(昭和60)から本格的な奉行所跡の発掘が進められ、当時の写真や礎石をもとに「箱館奉行所復元構想」が始まり、
2010年(平成22)に復元工事が完成しています。

五稜郭の傍には五稜郭タワーが建てられており、元の塔は1960年(昭和35)の建設で60mの塔でした。
2006年(平成18)に新たに107mのタワーが建てられています。

五稜郭の見取り図です。
中央に箱館奉行所が有りました。
現在復元されているのは中央部の一部です。

本塁、土塁等はそのまま残っているようです。

半月堡は本来の設計では5か所(5角の同じ場所)に
作られる予定が、予算不足で一か所になったそうです。

五稜郭への入り口、一の橋です。

堀の向こうに見えるのは低塁とその奥に
本塁です。
堀と低塁の眺めです。
低塁の奥に少し庇のでたような石垣
(武者返)が見えますが、本塁石垣です。
五稜郭への堀を渡る二の橋です。
橋の先に門が有ります。
門を入ってすぐの本塁石垣です。

石垣の石は函館山から切り出されたものだ
そうです。

石垣の上は少し庇のように出張り(武者返し)が
あるのが特徴です。
武田斐三郎は五稜郭を設計、築城指導した人です。
碑文では「箱館奉行支配諸術調所教授役」との
肩書で、頭脳明晰な人だったと言う事から、
この碑の武田像を撫でると知恵が貰えると言う事で、
銅板の部分はピカピカに輝いています。

築城100年を記念して1964年(昭和39)に
建てられた碑です。
復元された「箱館奉行所」です。

この部分の写真が残されていたことから、
詳細復元が可能となりました。

隣接した部分は建物の詳細が不明のため、
礎石に基づく地割のみが記されています。
玄関から入ると直ぐの所に使者の間が
有ります。
復元された奉行所内部です。

左は全て開け放つと72畳ある大広間、
奥から壱之間、弐之間、参之間です。
全部で四之間まであります。
広間の右手は畳廊下と広縁が有り、その先に
庭が有ります。

画面にポインターを置くと壱之間がご覧
頂けます。


右は奉行の執務室であった表座敷です。
大広間の広縁から眺める庭です。
ここの赤松は五稜郭が建てられた時に
植えられた当時の松が残っています。

夫々の赤松には番号札が取りつけられています。
中庭から望む太鼓楼です。

この中庭は観賞用の庭ではなく、
採光や雨水処理を目的とした中庭だ
そうです。

四方の屋根から集まる雨水を桝に集め、
南庭に流すシステムになっています。

正面の太鼓楼は高さが16.65mあります。
左は太鼓楼の中心柱です。

右は再興された奉行所の柱組を示す模型です。
内玄関には埋もれ壺が展示されています。
この壺は奉行所跡地の玄関、式台の下に
埋められていた壺だそうです。

2005年(平成17)の発掘調査で、「玄関」と
「内玄関」の式台跡から発見された信楽焼の
大甕は、「玄関式台跡」では5個、
「内玄関式台跡」では3個の甕が、それぞれ口を
上に向けて並べて地面に埋められていたとのこと
です。
北西側から眺めた奉行所です。
建物は元の奉行所敷地の1/3ほどで
残りは写真のように敷地表示が
為されています。

画面にポインターを置くと北東側から
眺めた奉行所がご覧いただけます。


兵糧庫の前に展示されている大砲です。

この大砲は実際には五稜郭に有ったものでは
有りませんが、右はドイツ製のクルップ砲、
左が英国製のブラッケリー砲です。

クルップ砲は1860年代の製造で、旧幕府軍に
撃沈された新政府軍軍艦朝陽の艦載砲です。

ブラッケリー砲は旧幕府軍の築島台場に装備
されていた1865年製大砲と推定されています。

奥に見える建物は築城当時から唯一残る建物で
兵糧庫です。期間限定の特別公開時のみ
中に入れます。
石垣本塁の上部になります。
結構広い幅が有ります。

つつじが満開でした。
入り口の門を入ってすぐにある藤棚です。

本塁の上から眺めた藤棚です。
画面にポインターを置くと下から眺めた
藤棚もご覧いただけます。
本塁から眺める五稜郭タワーです。
高さ107mあります。
二段式の展望台があり、函館市街360度の
展望が出来ます。
同じく本塁から眺めた奉行所方向です。
石垣本塁です。
半月堡と五稜郭タワーです。
五稜郭タワーから眺める五稜郭全景です。
奉行所を取り巻くように赤松の林の
あるのが良く見えます。

107mの高さからでも全景を撮るのが難しい
規模でした。

手前の三角は半月堡、一の橋、二の橋が
良く見えます。
低塁と本塁の関係もよく判ります。
タワーの西南方向、函館山と函館市街の眺望です。
タワーの東南方向の眺望です。

中央円形の建物は函館市北洋資料館です。
タワーの北方向の眺望です。

右寄りの横津岳とその奥に薄らと駒ヶ岳も
見ることができます。
タワー1階に展示されている土方歳三像と
「仏式四斤山砲」の模型です。

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