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京都駅の東方向になるこの辺りは、色々な史蹟・寺院などが並んでいる地域で、 かと言って、観光バスが列をなして駐車するのは三十三間堂位ですので、 ぶらぶら歩きするには良い地区です。 中央には京都国立博物館があります。 1897年(明治30)に開館した国立博物館は主として平安時代から 江戸時代までの京都を中心とした文化財の収蔵保管・展示を行っています。 この地域は元は豊臣秀吉が建立した方広寺の境内で、大仏殿もあった 場所です。方広寺は1586年(天正14)に、焼失した東大寺の大仏に代わる 大仏の造立を秀吉が発願し、高野山の木食応其により建立されました。 境内には鐘楼が遺されており、大阪の陣の発端ともいえる「国家安康」 「君臣豊楽」の名の入った梵鐘が掛かっています。 方広寺の京都大仏は当初木造で、1596年(文禄5)の地震で倒壊、 秀頼が1612年(慶長17)に銅で再興しましたが、大阪の陣で豊臣は滅びました。 大仏は残りましたが1798年(完成10)に落雷で焼失し、以降の再興は されませんでした。 天保年間に木像の大仏が作られましたが、これも1973年(昭和48)の火災で 焼失しています。現在は京大仏の名残は石垣以外にはありません。 豊国神社は豊国大明神を下賜された豊臣秀吉を祀る神社です。 徳川時代には廃絶されていましたが、明治天皇の勅命により再興されています。 神社境内には宝物館もあります。 方広寺、豊国神社の石垣には、大仏殿の石垣跡として大きな石が遺されています。 |
京都国立博物館の正門です。 大和大路通に面しています。 通常の入口は七条通に面している 南門になります。 明治時代の煉瓦造りの門は京都らしい 雰囲気を醸しています。 |
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博物館の正門を北に行くと、この様な 大きな岩の石垣に出会います。 元の大仏殿の石組みです、 現在大仏殿は跡形もありませんが、 この石組がその大きさを思わせます。 国の史跡に指定されています。 |
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豊国神社の外壁もこの大石の石垣が 続いています。 画面にポインターを置くと 2015年11月の訪れた時の紅葉した 石垣をご覧いただけます。 |
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大仏殿石垣の石碑を東へ入ると 方広寺本堂へ出ます。 方広寺は天台宗の寺院です。 通称は「大仏」または「大仏殿」です。 豊臣秀吉が 発願した大仏(盧舎那仏)を 安置するための寺として木食応其によって 創建されました。 天保時代に作られた半身の大仏も 1973年(昭和48)に焼失していて、 大仏殿の名残は石垣と石塔(耳塚・馬塚) 以外には殆どありません。 ただ、鐘楼には大阪の陣の原因となった 「国家安康」の鐘が遺されています。. 画面にポインターを置くと本堂の内部を ご覧いただけます |
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大黒天堂です。 伝教大師(最澄)の作と伝わる大黒天を 祀る祠社です。 秀吉がこの大黒天を気に入り、1/10の 像を作らせて手元に置いていたと言う像も 一緒に祀られています。 |
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方広寺の鐘楼です。重文です。 梵鐘は1614年(慶長19)に京都釜座で 鋳造され高さ4.2mあります。 重量は約83トンあります。 この鐘の銘文は禅僧文英清韓により 作られたものですが、文中に「国家安康」 「君臣豊楽」の四文字があり、家康が これを家康・徳川家を冒涜するものと見做し 大阪の陣の引き金となりました。 画面にポインターを置くと 梵鐘の拡大画面をご覧いただけます。 |
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梵鐘を拡大した画像です。 右側の白い枠内には「国家安康」 左やや上に「君臣豊楽」の文字が 見られます。 |
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豊国神社の正面鳥居です。 この画像は2015年11月のものです。 雨模様の中、紅葉が始まっています。 |
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神社の正面の石鳥居を潜って 参道を進むと、大唐門があります。 国宝です。 この唐門は伏見城の遺構と伝えられ、 大徳寺・西本願寺と並んで国宝三唐門 とも呼ばれます。 総欅造りで、創建時は彫刻に金箔が 施してあったと伝えられ、桃山時代らしい 豪華な建築物です。また唐門正面の 「豊国大名神」の神号額は後陽成天皇の 宸筆で旧豊国社伝来の勅額になります。 また、門の上部に彫られている鶴は 甚五郎の作と伝えらえ、目が入って いません。あまりにも実物に似ており、 目を入れると飛んで行くと言われ、 「左甚五郎の目なし鶴」と称されています。 普段は唐門の内側には入れません。 |
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唐門から眺める拝殿と本殿です。 お正月にはここまで入れるようですが、 通常は唐門までです。 |
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豊国神社の東南隅に宝物館があります。 桃山時代の建築物を模していますが、 コンクリート造りの建物です。 1925年(大正14)に建てられています。 館内はさほど広くはありませんが、 桃山時代の秀吉の遺品を中心に80点程が 展示されています。 展示品の一部は下記ボタンからお入り 頂けます。 |
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