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宝泉院は天台宗の寺院で、勝林院(大原寺)の僧坊の一つで、大原寺住職の坊として1012年(長和2)に創建されました。 勝林寺の僧坊は宝泉院のほか、実光院、普賢院、理覚院がありましたが、現在は宝泉院と実光院の二つだけが遺されています。 これらの僧坊は、平安末期の良忍による大原の魚山声明の発展に伴い有名になったようです。 宝泉院の書院は江戸時代中期に再建されました。この時、天井板に使われたのが伏見城の床板です。 伏見城では、関ヶ原合戦前に徳川家康の家臣である鳥居元忠と数百名の家来が豊臣軍に攻められて城内で自害しました。 天井板にはその時についた血の跡が残っており、供養のために床板を天井板に使ったと伝えられています。 |
勝林院から少し西に入ってくると 宝泉院前庭に出ます。 |
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宝泉院の門です。 | |
門を入るとお地蔵さんがあります。 右へ行くと玄関になります。 左へ行くと宝楽園という庭園に出ます。 |
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玄関前の前庭です。 落ち着いた庭になっています。 |
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玄関を入って進むと、「鶴亀庭園」の 傍の廊下になります。 この庭園は右手の書院の格子越しに 眺める様に作られていて、江戸中期の 作と伝えられています。 池の形が鶴、筑山が亀、山茶花の古木 が蓬莱山に見立てられているそうです。 この庭園は右手にある書院の格子から 眺める様に作られているそうです。 庭園は江戸中期の作です。 |
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鶴亀庭園の前の廊下には 僧侶が使う「坊主駕籠」が掛っています。 寺伝には駕籠の記録はないそうですが、 この駕籠の修復作業により、江戸時代中期 の駕籠であること、内装などから高位の 僧侶の駕籠であることなどが判明した そうです。 |
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駕籠の掛かっている前の部屋は 囲炉裏の切られた部屋になっています。 囲炉裏の縁は珍しい陶板製です。 画面にポインターを置くと囲炉裏の 陶板の部分をご覧いただけます。 |
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囲炉裏部屋から眺める裏庭です。 | |
「書院」の様子です。 1502年(文亀2)の再建と言われて いますが、建物の形式から江戸時代初期 の頃の再建のようです。 |
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書院の南側にある「五葉松」です。 樹齢700年以上の松で、京都市の 天然記念物に指定されています。 樹形は近江富士に似せて剪定 されているそうです。 書院から柱越しに眺めると一幅の 絵のように見えます。 |
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拝観料にはお抹茶も含まれており、 緋毛氈に座ってお茶を頂きました。 実光院のお菓子は八つ橋饅頭で 市販の物でしたが、宝泉院のお菓子は お寺専用のお菓子になっていました。 |
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客殿から眺める左・五葉松で 右は盤桓園(ばんかんえん)と称する 庭園です。 山崎豊子はその作品で、宝泉寺の 庭園から見る落日・夕景は例え様もなく 美しいと記しています。 少ない拝観者の中でも外国人が 多かったです。 右手の三人の外国人は帰りの京都駅行 バスも一緒でした。 |
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盤桓園は、客殿の西側に位置しています。 上図のように客殿にある柱と柱の間を 額縁に見立てて観賞するため、額縁庭園 とも呼ばれている名園です。 盤桓とは立ち去りがたいという 意味があるそうです。 |
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盤桓園の手水鉢は水琴窟に なっており、二連式になっているので、 理智不二(りちふに)と名付けられて います。 水琴窟とは底に穴をあけた甕(かめ)を 逆さに埋め、水を落とすことで共鳴音を 楽しむ装置です。 画面の竹筒がその音を聴くための物で、 右左で音が異なります。 静寂の中で清らかな音を楽しめます。 |
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書院東側の壁面です。 床の間の横の格子から 鶴亀庭園を眺める様になっています。 |
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格子から眺める「鶴亀庭園」です。 お天気が良すぎて、日差しが強く、 庭園の雰囲気が出にくいです。 |
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書院の廊下の天井板は「血天井」と 呼ばれています。 江戸時代中期に再建の際、天井板に 残っており、供養のために天井板に 使ったと伝えられています。 画面にポインターを置くと、 血糊の残る別の天井部分を ご覧いただけます。 |
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山門を入って左手に行くと 「宝楽園」という庭園があります。 この庭園は2005年(平成17)に 整えられた庭です。 〈仏神岩組雲海流水花庭〉を趣向した、 地球太古の創世に戻り、その原初の海を 想像した庭園なのだそうです。 心の内にある仏様や神の世界を 岩組・樹花・白砂等で表わしています。 小さい空間に色々な庭の特徴が凝縮 されており、色々な見方ができる庭です。 |
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阿弥陀仏、観音・勢至の両菩薩の 三尊来迎の姿を表した岩組の様です。 |
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底地に白川砂を敷き詰めて、海流水を 思わせ、夜半に月光が照り映えた世界を 見ることもできるそうです。 |
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白砂で蓬莱山を表しているようです。 | |
座禅を組むための座禅岩を表して いるようです。 大自然(草木国土)が表現された 庭になっているようです。 |
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