成田航空科学博物館
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成田の航空科学博物館は成田国際空港開港後の1989年8月に空港近くの芝山町に開設されました。
この博物館は空港開港により離農した農家の雇用対策の意味もあったようです。航空機の博物館としては日本で最初です。
画像はありませんが、過去に二度ばかり航空技術博物館を訪れています。一度は、京成芝山千代田駅から徒歩(約30分)で
来たこともあります。周辺は自然が残されており、飛行機を見ながら休めるさくらの山などもあります。
2019年8月に30周年としてリニューアルされた博物館を、市民カレッジ仲間と2019年11月に訪れました。
京成電鉄成田空港第二ターミナル駅で
下車し、地下から1階バスターミナルに出、
28−A乗り場へと向かいます。

「三里塚循環」に乗車し、芝山千代田駅を
経由して、航空科学博物館前停留所で
下車します。
我々以外ではお一人が芝山千代田駅前
まで乗車された以外、乗客はありません。
「航空科学博物館」です。

中央に5階建てのタワーがあり、その
両側に円形の2階建て建物があります。

左手が主展示場、右手はライブラリーなど
です。
博物館の前庭には各種の小型飛行機や
ヘリコプターなどの実物展示が行われて
います。

YS11の試作機(1号機)も展示されて
います。
博物館の入口を入ると、この案内板が
立っています。

実際は左右の部分が1枚になっています。

下記のようになっています。

順路の最初の展示室です。

2階の吹き抜けになっています。

中央にボーイング747の模型(1/8)が
置かれています。

この模型は操縦室で操縦でき、
本物と同じ動きをします。
747のエンジン部分です。
747の客室前部の断面です。

実物のカットサンプル展示です。
思った以上に大きく感じます。
B747のコックピットです。

事前に受付で操舵の許可をもらうと
無料で操縦できます。
操舵室から見る模型です。
これが操舵に従って動きます。
2階反対側の展示室には
成田空港全体の模型があります。
本館と体験館の間にB747の前部の
本物が置かれていて、内部に入ることが
出来ます。
こちらは体験館2階にあるシュミレータ
です。

B737のコクピットで、こちらは1回
1千円の有料です。

前方画面に飛行個所の様子が映し出され、
操舵により、画面が上下左右に動くように
なっています。
本館3階の展望台です。

正面には本館の4・5階タワーが
あります。

4階はレストランです。
展望台からの前庭の眺めです。

多くの人が庭で食事をしていました。
同じく、展望台から空港方向の眺望です。

左手がA滑走路になります。
右手は整備地区でデルタ航空や
NCAの格納庫があります。

正面奥が旅客ターミナル地区で、
一番奥に小さいですが、管制塔が
見えています。
博物館の前には「日本山妙法寺」の
平和祈願仏舎利塔があります。

妙法寺は藤井日達師創設の法華宗系の
宗教団体で、世界各地で平和運動を
行っている団体です。
空港建設時には反対運動に加わって
いました。

この塔は空港建設途中で、空港敷地内に
建てられましたが、空港公団総裁から
藤井日達聖人へ親書を出し、その後の
話し合いの下、寺側が塔の移転に同意し、
サイズを小さくして建てられたのが
この「成田佛舎利塔」です。


5階展望台には管制塔の設備の展示が
あります。

元の管制塔から移設された実物の
管制設備です。
前庭の飛行機を見ながら管制設備の
前に座ると、管制官になったような気も
しないではありません。
まさに離陸直後の貨物機です。

風向きによっては手前の部分が
航空機の離陸待ち場所になります。

正面が成田空港の主滑走路である
A滑走路(4000m)です。
1階の右手はライブラリーになっており、
航空に関する書物なども置かれています。
ライブラリーの前には、航空学部の
ある大学や学院の入学案内が色々と
置かれています。

航空機に憧れる若者が来るのでしょう。
1階中央部にはフライト体験できる
場所もあります。
左手の地図の航路をフライト体験
出来るようですが、定時にしか内部には
入れません。

機体の外郭はノースウェスト航空の
DC−8型機体です。
内部はJALの物のようです。
空と大地の歴史館
成田市三里塚に建設が決まった1966年(昭和41)から開港の
1978年(昭和53)まで、約12年間に及んだ反対同盟と国・空港
公団との戦いの日々を振り返ることができる歴史館です。
芝山町は埴輪の街としても知られて
いますので、航空科学博物館から
歴史館への道には「埴輪像」が
置かれています。
歴史館の全景です。
2011年6月に開館されています。

こじんまりした資料館です。
入場は無料です。
入館の際、今年の10月で来館者が
10万人を超え、記念品を頂きました。
入口にある案内板です。

1フロアーだけの歴史館で、
順路に沿って一巡すれば短時間で
成田空港建設の歴史が判ります。
順路の最初には
空港のできる前の村の様子が
パネル展示されています。
1970年代の社会の様子が
展示されています。

左手のパネルには1970年代に
発刊された雑誌や、流行歌のレコード、
CDなど、また、当時はやった映画の
名前などが展示されています。

中央の看板は成田闘争で実際に
使われていたものです。
流血の日々の展示コーナーには
闘争の様子やヘルメット、太鼓など
現場で使われた品々も展示されています。

画面にポインターを置くと
各グループのヘルメットもご覧頂けます。
空港建設工事の進捗と地元民の抵抗の
様子がパネル展示されています。

画面にポインターを置くと、当時の
子供たちの建設への抵抗の様子も
ご覧頂けます。
工事が進められないように、計画区域内の
立ち木を個人所有にして、伐採に
抵抗したようです。

佐々木更三、佐藤行通、成田知己などの
政治家が登録した木が残されています。

画面にポインターを置くと立木売買契約書
がご覧頂けます。
1978年には第一期工事が完了し、
成田国際空港が開港されました。

開港後も現地では緊張が解けない状態
だったようです。

開港後も第二期工事が続きます。

空港が建設されると、反対派の中でも
容認派が増えたようで、一部は
条件闘争に変って行ったようです。

それでも強硬派は左翼学生などの
支援を受けて、抵抗を続けたようです。
1995年以降は地域との融合も進み、
空港運営は順調に進んだようですが、
それでもなお、空港内には反対派の
住宅なども残った様です。

2019年の現在でもまだ空港完成とは
いえず、地元の反対派の抵抗が
続いているようです。
企画展示室では「懐かしい写真」
として、空港建設前の地元の様子が
写真展示されています。

昔の道路の風景写真が地図とともに
展示されています。
航空科学博物館前のバス停から
空港第2ターミナルへ戻りました。

平日でもあり、バスは貸し切り状態。
成田駅や東京駅からの高速バスなども
ここで乗り降りができます。

この日は貸し切りバスで高齢者の
団体が3〜4組、小学生の団体が2組
来ていましたが、歴史館へは高齢者の
1組だけが訪れていました。
博物館の来客は開館以来100万人を
越えているようですが、歴史館は少なく、
地元でも知名度が低いのだそうです。
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