昭和戦後の貨幣
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太平洋戦争敗戦後の日本では進駐軍(GHQ)による民主的政治?への誘導が行われ、
統帥権を持った天皇による政治から、象徴天皇を戴き、選挙により選ばれた政治家による
政治へと変化してきました。
東西冷戦による日本の位置づけが米国にとっても重要となり、占領下政策も次第に緩やかに
なったようです。日米安保体制が確立されます。
経済面では終戦後の混乱が1950年の朝鮮戦争と言う外的要因により、一気に活況を呈し、
日本経済の復興に役立ったのは確かでしょう。
通貨制度については、戦前の通貨は戦後もそのまま通用していましたが、インフレ対策で1946年
(昭和21)2月の金融緊急措置令により、預貯金の封鎖が行われ、新円切り替えが実施されました。
預金引き出しは一定額に制限され、手持ちの旧円紙幣は証紙を貼って限定利用されていました。
然しながら、戦後復興のための資金需要は大きく、GHQは日銀に大量の紙幣の印刷をさせ、
インフレは急激に進むことになりました。一方、小額紙幣、硬貨については措置令の枠外で、そのまま利用
出来たため、流通量が増大したようです。
新円紙幣の発行は1946年(昭和21)から順次行われ、改定も金種により何度か行われています。
この頃に発行された紙幣は現在も使用が可能です。硬貨の一部はインフレと金偏景気により、材質に
よっては額面より高価となり、鋳つぶされる可能性が高くなり、使用が禁止された少額硬貨もあります。
特に、1948年(昭和23)発行の1円黄銅貨は1953年(昭和28)に銭、厘単位の硬貨の流通禁止
に伴い、使用禁止とされました。
なお、紙幣の日本銀行が払い出しを終える時期と実際に使用が終了する時期には差が有り、
以下の文章では紙幣の発券終了で表現しています。発券とは日本銀行の払い出しを指します。
1946年(昭和21)に発行され1958年(昭和33)まで発券
されていた壱円紙幣です。
表には二宮尊徳の肖像と鶏の絵柄が有ります。

裏は彩紋で漢字と英文で壱圓と書かれています。

1953年(昭和28)に1円硬貨の使用停止とともに、
この一圓札が大量に発行されています。

1955年(昭和30)にアルミ製の1円硬貨が発行され
硬貨が紙幣にだいたいされることになりました。
1958年(昭和33)に発券停止となっています。
この紙幣は現在でも使用可能です。

なお、明治時代に発行され、その後も発券されていた
武内宿禰の肖像のある壱圓紙幣も現在使用可能です。
図柄が「米国」だと騒がれた拾円紙幣です。
1946年2月に新円切り替えとして発行されています。
A号券と呼ばれています。

紙幣の右は拾圓文字の奥に鳳凰が描かれ、
左は国会議事堂が描かれています。
民間会社のデザインによるものだそうですが、
菊の紋が鎖に繋がれているとも噂された紙幣です。

裏は彩文に10がデザインされています。
透かし模様はありません。

1955年(昭和30)に発券停止となっています。
この紙幣も現在使用可能です。
1951年(昭和26)に発行された五拾円紙幣です。
B号券と呼ばれています。
発行後は50円硬貨に取って代わられ、全体の発行枚数が
非常に少ない紙幣です。
新円発行後の50円紙幣はこれ1種のみです。
それまで使われていた圓が円に変っています。
1958年(昭和33)に発券停止となっています。

表は高橋是清の肖像です。
透かしが入っています。

裏は日本銀行本館の建物が描かれています。
1953年(昭和28)発行の百円紙幣です。
下記のA号券に対し、B号券と呼ばれています。

表は板垣退助の肖像です。
透かしが入っています。
1974年(昭和49)まで発券されていました。
1957年(昭和32)に100円硬貨が発行されましたが、
その後も結構長い間100円紙幣が存在していました。

裏は国会議事堂が描かれています。


下記の100円札と同じような紙幣は昭和初期から
兌換紙幣として発行されていました。
新円切り替え時にはそのままの意匠を利用して
発券されたのがA号券です。但し、旧円にはない花模様を
百圓の字の下に入れて、新旧の区別をしています。
この花模様のある百圓紙幣は現在も使用可能です。
花模様のない紙幣は使用できません。

1951年(昭和26)に発行された500円紙幣です。
下段の500円紙幣と区別するため、この紙幣は
B号券と呼ばれています。
1971年(昭和46)まで発券されていました。

表は岩倉具視の肖像です。
500の透かしが入っています。

裏は富士山の写真から転写された絵が描かれています。

現在も利用可能です。
同じく500円紙幣です。C号券と呼ばれる紙幣です。
1969年(昭和44)に発行されました。
1982年(昭和57)に500円硬貨が発行された後も
1985年(昭和60)まで印刷がされ、1994年(平成4)まで
発券されています。

表は岩倉具視の肖像ですが、上段の物より鮮明になっています。
また、左側に透かしの場所を白地で取っています。透かしは
川と桜の模様です。更に、桜の花の絵が追加されています。

裏面は同じ富士山ですが、表の白地部分が裏面も同じく
白抜きとなって透かしが入っています。

この紙幣も現在利用可能です。
1950年(昭和25)発行の千円紙幣です。
新円切り替え時には千円のA号券は発行されず、
これがB号券と呼ばれています。
1965年(昭和40)まで発券されていました。

表は聖徳太子の肖像です。
桜の花の透かしが入っています。

裏は法隆寺の夢殿です。

1963年(昭和38)に発行された千円紙幣です。
C号券と呼ばれています。
B号券の偽造が頻発したため、新たに発行されたものです。
1986年(昭和61)まで発券されていました。

表は伊東博文の肖像です。券面左には伊藤博文の肖像の
透かしが入っています。下には菊の花が描かれています。

裏は日本銀行本館が描かれています。前出の50円紙幣の
裏とほぼ同じデザインです。

この紙幣も現在利用可能です。

なお、1984年(昭和59)にはD号券として夏目漱石の
肖像の千円紙幣が発行されていますが、手持ちには
有りませんでした。

現在は2004年(平成16)発行の野口英世の肖像のある
E号券の千円紙幣が流通しています。
1957年(昭和32)発行の五千円紙幣です。C号券と
呼ばれています。
1986年(昭和61)まで発券されていました。

表は中央に聖徳太子の肖像、右に聖徳太子の透かしを
入れています。

裏は日本銀行本館が描かれています。C号券の千円紙幣と
同じデザインになっています。

なお、1984年(昭和59)に新渡戸稲造の肖像のある、
D号券が発行されています。手持ちが有りません。
1958年(昭和33)に発行された日本で最初の1万円紙幣です。
1986年(昭和61)まで発券されていました。

券面の右に聖徳太子の肖像、中央に法隆寺夢殿の透かし彫りが
施されています。


1万円紙幣の裏です。中央の透かしを囲むように
鳳凰が描かれています。
1984年(昭和59)発行の一万円紙幣です。
2007年(平成19)まで発券されていました。

券面の右に福沢諭吉の肖像、中央に福沢諭吉の
透かし彫りが施されています。
裏は雉の番が描かれています。
昭和初期に発行された少額硬貨です。
左から昭和14年発行の1円黄銅貨、昭和21年発行の
五十銭黄銅貨、昭和23年発行の五十銭黄銅貨、昭和20年
発行の十銭アルミ貨、昭和20年発行の5銭錫硬貨です。
1円の表は橘、50銭は鳳凰、50銭(小)は桜、10銭は稲穂、
5銭はハトが描かれています。1円以外は菊の紋入りです。
硬貨の裏面です。
50銭(大)は中央に麦の穂、両脇に魚、50を囲むように歯車、
その下につるはしが描かれ漁業、農業、工業、鉱業を表わして
いる様に思えます。10銭は桜が描かれています。

これらの硬貨は1953年(昭和28)の少額通貨整理法により
流通が禁止されています。従い、この1円黄銅貨も現在
使用できません。
左の10円銅貨は1951年(昭和26)に制定され
1953年(昭和28)より使用されています。
従い、左の10円の製造年が昭和27年となっており、使用開始
1年前に鋳造された硬貨です。周囲にギザが入っています。

左2の五円黄銅貨は昭和23年から発行されました。
表に国会議事堂、裏にハトが描かれています。ギザ付です。

右2の五円黄銅貨は昭和24年から発行されました。
表は水の上に稲穂と穴の周りは歯車になっています。
ギザ付です。

右の1円アルミ貨は昭和30年から発行されました。
現物は昭和38年発行の硬貨です。
表は若木が描かれています。

これらの硬貨は現在も流通している硬貨です。
但し、最近の物は周囲のギザが無くなっています。
左は1955年(昭和30)発行の50円ニッケル貨です。
表は菊の花が描かれています。裏は数字と発行年です。
ギザ付です。

中は1959年(昭和34)発行の50円ニッケル貨です。
左の硬貨が100円硬貨と紛らわしいと言う事で、造られた
50円穴あき硬貨です。ギザはありません。
表は菊の花、裏は数字と発行年が描かれています。
現物は昭和37年発行の硬貨です。

右は1967年(昭和42)発行の50円白銅貨です。
今までより小さくなっています。
表は菊の花、裏は数字と発行年が描かれています。
現物は昭和43発行の硬貨です。
ギザが付いています。
左は1957年(昭和32)発行の100円銀貨です。
銀の含有量は60%です。
表は鳳凰、裏は旭日に花のデザインが描かれています。
現物は昭和33年の刻印が有り、発効前に鋳造されたものです。
戦後では初めての銀貨です。
1967年(昭和42)の白銅貨発行により鋳造停止されました。

中は1959年(昭和34)発行の100円銀貨です。
銀の含有量は60%です。
表は稲穂、裏は数字100のデザインが描かれています。
左の硬貨同様昭和42年鋳造停止されました。

右は1967年(昭和42)発行の100円白銅貨です。
表は桜の花、裏は数字の100のデザインが描かれています。
現物は昭和50年発行のものです。

何れもギザが付いています。

いずれの硬貨も現在利用されています。
左は1982年(昭和57)発行の500円白銅貨です。
500円紙幣に代えて製造されました。
表は桐、裏は500の数字の周りに笹と橘が描かれています。
1999年(平成11)に発行停止されています。

右は2000年(平成12)発行の500円黄銅貨です。
基本的デザインは同じですが、裏面の500の数字のゼロの
部分を斜めにすると500の数字と縦棒が浮かび上がるように
なっています。
斜めのギザが付いています。
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