心臓カテーテル検査
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2011年5月に冠状動脈の梗塞が見つかり、カテーテルにて血管内にステントを装填して
事なきを得ました。同年の11月に装填したステントが問題ないかどうかチェックの為、
再度カテーテルでの入院検査を行いました。

2016年3月に背中が痛むのと、ここ数か月、階段等を急いでのぼると息切れが
激しいので、再度布川気功整体医院で見てもらうと、心臓右側に狭窄の可能性ありとの
診断でした。前回の時の症状に比べると、それほど深刻なものではないものの、
清宮クリニックで相談結果、検査を受けて何もなければそれでいいから、日医大での検査を
してみたらと、紹介状をもらいました。

日医大には2016年4月11日に行く予定が、4月4日のゴルフの予定が雨で流れたので、
その日に受診しました。日医大の栗原先生からは、CTやMRIでもある程度の観察可能だが、
いずれも予約が満杯で、6月以降でないと予約がとれない。カテーテル検査なら4月中でも
可能だから、そちらにしたら、との助言をもらい、その場で4月26日から入院の予約をしました。

4月25日に日医大より電話があり、4月26日10時に受付するようにとの指示で、
部屋は606号室に決定しました。

入院1日目

2016年4月26日10時に受付との事で、9時半に出発、45分に駐車場に到着したものの、
駐車場は満杯で駐車スペースはなし。仕方がないので、樹下のスペースへ入り込み
駐車した(軽自動車の有利点)。病院訪問者の多さを実感。

入退院センター受付で番号札を取ると「25番」、現在の受付番号は「17番」。
う〜ん、大分待たされそうと思ったものの、意外に早く順番が回って来た。
保証人の誓約書、差額ベッドの確認書を提出し、病室へと向かう。

6階東館のナースステーションで名乗ると、看護師さんが案内してくれ、まず、入室前に
体重と身長の計測。66.5kg、165.4cm。病室はベッドが廊下側(差額ベッド代不要)。
4人部屋だが、先住者が一人、他のベッドは空いていた。
看護師さんは、「多分、誰も来ないでしょう」との事で、廊下側ながら、カーテンを開け放つと
窓外も見ることが出来、窓際ベッド(差額ベッド代3,240円)と何ら変わりなし。
先住者も廊下側ベッドを利用していた。

案内してくれた看護師が部屋の使い方と浴室の利用方法を説明してくれた。
浴室は午後2時から19時まで利用可能で、ナースセンターにある予約表の希望の時間に
記名することになっている。夕刻5時〜7時の予約を希望したが、既に満杯で
空いているのは午後4時以前しかなく、本日の入浴はあきらめるしかない。

着替えをして、暫くすると、6階の主任看護師(各階看護師長1名、主任看護師3名いる)が来て、
「入院診療計画書」に基づき、入院中の段取りを説明してくれた。
計画書によると病名は「労作性狭心症」、治療計画は「精査・加療」、
検査内容「冠動脈造影・FFR]となっていた。
更に、「入院に際しての説明」として、患者の確認方法や災害・防災、履物、携帯電話の使用法
等々の説明があり、説明を受けた確認の署名をする。
検査着に着替えた際は、下着はT字帶を付けてくださいとの事。腕からだから下着は必要ないと
思っていたので、自宅にあるT字帶を持参して来なかったと伝えたら、1階のコンビニに売ってるから
準備しておいてくださいと言われた。なかなかさっぱりとして、良い看護師さんだ。
夕方の交代時間までこの主任看護師が面倒を見てくれた。

続いて、別の看護師が血圧、体温を計測し、採血。更に、採尿の要請があり、コップに採尿し
トイレにおいておくと、その看護師が引き取って行ってくれた。

次に、薬剤師が来て、今回入院中に使用される可能性のある薬剤について説明してくれた。
検査日の薬剤としては、造影剤、点滴剤がある。造影剤は「オムニパーク」、「オイパロミン」、
「イオメロン」の内のどれかになるが、検査前に確定するとの事。
点滴は検査日の朝4時からスタートするとの事で「ピカポーン 500ml」を2本。
検査後の症状によっては使用する可能性のある薬として、「ニフェジピンカプセル」(血圧上昇時)、
「ポンタールカプセル」(頭痛時)、「ジクロフェナクNa坐薬」(腰痛時)、
「塩酸リルマザホン」(不眠時)などが設定されている。
自分の常備薬(バイアスピリン、クレストール、タムスロシン、ランソプラゾールの4種)は通常通りに
服用することになる。

家内は「バイアスピリン」を継続利用していることを心配して、何度も「大丈夫か」と聞くものの、
先生からは薬は止められておらず、看護師も、検査を受ける人の中には継続利用している人もいる、
との事で特に問題なしと判断。家内は出血時の血止めの心配をしているらしい。

夫々の説明が終わると、昼前で食事は昼食から付くことになっており、午後は3時30分から
事前検査の「心エコー」、「心電図」、「四肢血圧測定」と「胸部レントゲン」の撮影予約がある。

食事代は一食が4月1日から値上がりして360円(それまでは260円)、平成30年からは
460円になるらしい。ただし、住民税非課税者は210円、その中でも更に低所得者は100円と
なっている。生活保護を受けて、医療費無料の人は入院した方が生活が楽になるかもしれない。
そんなこともあるので、入院期間の最長は180日となっているのでしょうかね。
本当に長期入院の必要な人にとっては180日上限と言うのは厳しい制度だと思う。

12時になると昼食が運ばれて來る。家内は昼食の内容を見て、帰宅した。
最初の昼食は「鮭の野菜味噌蒸焼」、「青菜のわさび和え」、「大根そぼろ煮」と
ご飯180g、デザートはパイナップルが2切れ。
まあ、病院食が美味しいわけはなく、食べられるというレベルで塩分も6gとなっている。

食事を終えると直ぐに、担当医の栗原先生が病室に現れた。
前回は担当医の説明が夕方6時過ぎだったので、今回も家内は夕刻にまた来ればよい
との判断で帰宅した。前例はあくまで前例で、前例が基準にはならないことを知らされた。

先生の事前説明は前回の検査時と全く同じだが、症状が前回ほどではないことから、
「経皮的冠動脈形成術」については言及されなかった。
その代わりに、血管に閉塞がある場合はその血管の閉塞した部分の前後の血圧を測り、
その差が一定以上の場合には何らかの対策が必要になるとの説明がった。
血管内で血圧が計れるんだと新しい驚きだった。
その他、前回同様カテーテル検査の方法と検査の目的、検査によるリスクなどを説明してくれた。
これらの内容については右のボタンをクリックすると詳細をご覧いただけます。 
前回は梗塞を前提とした説明だったが、今回は問診でも特徴的な症状が出てなかったので
こうした説明になったのだろうと推測される。
検査の順番と時間は夕刻に看護師から連絡させるとの事で、この時には確定せず。

前回と同じ資料ながら、説明に使用された画像は下記通り。

今回もカテーテルの挿入は右手首の
橈骨(とうこつ)動脈からとなります。

昔は大腿動脈からの挿入が一般的だった様ですが、
最近は特に問題のない限り橈骨動脈からの挿入に
なるようです。この方が止血もしやすく、検査後の動きが
楽だからでしょう。

左図の緑の線に沿ってカテーテルが挿入されます

右図の冠動脈のように造影剤で血管が撮影がされます。

午後3時半からの検査予定が、2時過ぎに看護師さんが部屋へ来て、検査準備が出来ているので
検査室へ行くようにとの指示。
1階の「生理機能センター」へ行き、先ずは「手足の血圧」測定。両手両足に結束具を付けて
血圧測定。多分、動脈硬化の検査だろう。
更に、別のベッドへ移り「心エコー」検査、終わると別のベッドで「心電図」の測定となり、
待ち時間入れても30分程度の検査。
この後、「放射線センター」へ出向き、胸部レントゲンの撮影。本日の検査予定はこれですべて
終了。終了は午後2時45分だった。

帰室のあと、ナースセンターで入浴時間のチェックをすると、運よく3時半から空いており、
これを予約。予約時間に浴室で入浴後は全くのフリータイム。

夕食は6時からで、その前に看護師の交代で主任看護師が血圧、体温を計測し、明朝4時からの
点滴用に腕に針を固定してくれた。「明日の検査は3番目で午前中になるので朝食は抜きです」
との事で、検査の実際の時間は前の検査時間に左右されるので、具体的時間は言えないとの事。

夕食は「鶏肉野菜焼」、「春雨サラダ」、「南瓜の煮付け」と米飯180g、デザートはオレンジ2切れ。

8時頃に夜勤の看護師が挨拶方々血圧と体温を測定して行った。明朝4時に点滴を始めますとも。

テレビはカード式の有料で、取敢えず、1000円分のカードを購入したものの、大した番組もなく
9時消灯、10時就寝。とは言うものの、点滴用の腕の添付部が気になり、思ったほど寝付けない。
こんな筈ではなかったと思うと、更に眠れず、何かうとうとする感じ。

熟睡できないまま、朝4時に看護師が来て、点滴の薬剤を装着して行った。500mlの薬剤を
60ml/時の速度で点滴。1分1ccというのは結構ゆっくりだ。

8時に見習い風の看護師と指導員らしい男性看護士の二人が来て、挨拶と共に今日の
検査順番が3番目であることを確認してくれた。
検査の順番が3番目と言う事で、おそらく10時頃だろうと思っていたので、家内には10時前に
来ればよいと伝えていたが、9時前には到着した。
9時に看護師が来て、少し早くなるようなので準備しましょうとのことで、血中酸素量、血圧、
体温の測定と、橈骨(とうこつ)動脈からの挿入が出来なかった場合に備え、念のため大腿部の
剃髪をした。これらの準備中にナースセンターから「検査準備が出来たが、田中さんは何時ごろ
降りられるか」との連絡が入り、「5分後には大丈夫です」と看護師が答えた。
家内は「ほら、早く来てよかったでしょう」と得意げな顔つき。

9時10分には車椅子に乗って1階の検査室へと向かう。点滴は続けたまま。

検査室は2011年5月に経皮的冠動脈形成術を行った部屋ではなく、同年11月に形成術の
結果確認の検査を行った部屋と同じ。栗原医師は症状から検査のみで終われるとの判断を
されていたのだろう。これで気分的にも楽になった。

検査ベッドに横たわると、身体のあちこちに線が貼り付けられ、各種計測と画像モニターの
準備がされ、ついで、腕に麻酔薬が注射され、造影剤が注入された。一瞬腕全体が熱くなり、
その熱さが広がると間もなしに元に戻った。そこで、腕からカテーテルが挿入された。
何となく、身体の中を何かが動いているような感触があるが、確かには判らない。
前回の時は「さあ、カテーテルが心臓に届きましたよ」との声かけがあったが、今回はそれもなく、
粛々と検査が進められた。
今回は検査室には栗原医師のみで、必要に応じて看護師が対応する様子。
2011年の最初の検査の時の人数が嘘みたい。

「田中さん、前回のステント装填部位も異常ありませんよ。そのほかも特に問題はなさそうだよ」との
説明と共にステントが抜かれて行く感触があった。

「はい、検査は終わりました。冠状動脈に異常はありません。大丈夫です」との医師の発言にほっとする。
検査時間はほぼ30分ほど。最初の時の4時間半とは大違い。

そのままベッドから車椅子に移動し、男女二人の看護師が病室まで付き添い10時頃には病室に戻れた。

点滴は付けたままで、右手首には止血用のバンドが嵌められた。このバンドは空気を装入して
圧を掛けて血管を押し付けて止血させる器具。(下図)

空気注入出器から注射器で
空気を入れたり出したりします。

最高圧は空気15ccで、時間の経過と
ともに、少しづつ空気を抜きます。

最初は4cc、次は2cc、更に2cc、
最後に全部抜きます。

この間に少しでも出血すると
再度、圧を掛けることになります。

静脈と異なり、動脈なので、少しでも
出血があるとテープで抑えるという
方法は採られません。
必ず、止血するまで圧をかけ続けます。

病室に戻ると直ぐに看護師による血圧、血中酸素、体温の測定があり、体調の不具合有無の問診と、
検査後の生活についての注意点の説明があった。今日は風呂・シャワー共に止めること、体調不良の
場合はすぐにナースセンターへ連絡すること。ナース呼び出しボタンは遠慮なく押すこと、等など。
今回の検査では順序が2番目と3番目が入れ替わったとの事で、検査時間の繰り上がったことが判明。
遅くなるよりはいいかと思うものの、家族の来るのが間に合わなかった可能性もあり、事前に連絡が
欲しいと感じた次第。

昼食前には栗原先生が現れ、今回の検査の結果について説明があった。前々回はトラブルもあり、
夜8時頃の説明だったが、今回は順調な推移で昼前には結果が判った。
下図の写真を示しての説明で、「右冠動脈と左冠動脈の状態につき、右の前回処置したステント部分に
狭窄もなくスムーズな血流で、問題はない。左の冠動脈も動脈硬化の傾向がみられるが、狭窄部分は
認識されず、現状では特に何らかの処置の必要性は認められない。
なお、心臓内の逆流(僧房弁閉鎖不全弁膜症)は前回同様に存在するが、
今すぐに何らかの処置が必要と言うほどの症状ではない。心配する事はない」との事。
いずれにせよ、心臓弁膜症ではあるらしい。掛かりつけの清宮医師からは「風邪は引くな、
歯槽膿漏には留意せよ」との指示を受けており、弁膜症には細菌の付着が良くないらしい。

右冠動脈です。丸の部分が前回狭窄あり、ステントを装入しています。 左冠動脈です。

これにて、今回の検査のすべてが終了し、後は止血の結果次第ながら、明日の退院は大丈夫との
看護師の判断。
これにより、家内は昼に帰宅。前々回の毎日夜遅くの帰宅になったのとは大違い。疲労も気疲れも
今回はほとんどなさそう。

12時に昼食。「豚肉の生姜炒め」、「青梗菜おしたし」、「サツマイモあっさり煮」と米飯180gおよび
デザートに「バナナ半切れ」。すべて完食。

12時、14時、16時に看護師二人がやってきて、従来通りの血圧等の計測と12時には最初の
空気抜きで4ccを抜いてくれた。それだけでも手首の圧迫痛が軽減され、14時に更に2ccを抜き、
出血も認められず、16時には止血用バンドが外せるかと思っていたが、2ccを抜いた段階は異常なし、
更に、最後の7ccを抜いたところ、バンド内に血のにじみが出たため、再度11ccを注入。看護師は
今時点で出血した場合は、次回の空気抜きは明朝6時になるが、栗原先生と相談して、2時間後に
再度トライしてみます、との事。やっぱり「バイアスピリン」を飲んでいる為でしょうかねと聞くと、
「この場合その影響は少ないです。人により様々です」との事。近くの医者で受けている自治体の
健康診断で胃カメラを飲むときも、以前は1週間はバイアスピリンの服用を停止させられていたのが、
最近は飲み続けるように指示され、処置が必要な際には改めて服用停止してもらうと言われている。
服用停止で過去に何か事故があったのかもしれないと推測するところ。

昼から夕刻まで、看護師の定期巡回以外には何もなく、点滴が継続されているのでぶらぶら歩きも
できず、ベッドの上で本を読んだり、数独したりと、ゴロゴロしているだけなので、身体のあちこちが
痛くなる。ベッドの頭の部分を上げたり下げたりしてみても、体勢を変えるところまではいかない。
長期入院の患者さんはよくこれに耐えられるものだと感心する。

5時で看護師が交代し、6時に新しい看護師が来て、手首のバンドの空気を抜いてくれた。一旦、
バンドを外したものの、手首部分にじわじわと染み出る血液があり、看護師は再度バンドを付け、
空気を注入し、もうあと2時間後にやりましょうと言う事で、再び圧迫バンドは外せすじまい。

6時から夕食。今回入院の最後の夕食は「ぶりの照り焼き」、「春雨の中華和え」、「厚揚げの炒め物」
及び米飯180g、デザートはパイナップル2切れ。(下図)

病院食と言うのは食器もそれらしく、どうしても味気なくなるなぁ。

午後8時に再度看護師が来て、手首のバンドの空気を抜くものの、前回より更に勢いよく出血し、
翌朝6時までバンドの取り外しを延期せざるを得なくなった。
点滴は9時に2回目の500mlが無くなり、注入器が取り外され、左手は楽になった。

テレビの番組も大したものがなく、9時消灯、10時就寝を実施。

入院3日目

6時起床、看護師が定例の測定に来る。三日間を通じて血圧は上が最大で140、最低で112、
概ね120前後、下は最大で83、最低で66、概ね75前後と極めて正常。体温は最大36.8℃、
最低で36.3℃とこれも平常値、血中酸素量は最大99%、最低で96%。

今回初めての朝食を摂る。内容は「鳥の野菜煮込み」、「いんげんの味噌和え」、「ジャガイモと
麩の味噌汁」、「佃煮海苔(袋入り)」及び米飯180gと牛乳。(下図)

これが入院最後の食事。

10時頃には清算書が出来るので、出来次第連絡しますとの事。多少遅れることもあります、との
コメントつき。過去も概ね10時過ぎには退院できたので、今回も多分同じだろうとの予測。
家内は前日同様に9時前に到着。テレビカードも40%ほどが残ったので、家内に換金させる。
400円戻ってきた。

着替えを済ませ、持参品の整理を行い、準備完了。10時15分に看護師から清算書が出来たとの
連絡があり、ナースセンターの皆さんに挨拶して、1階へ向かう。
入退院センターで順番票を取ると「34番」。現在「28番」が受付中。約10分で呼び出しあり、
受付に向かうと、「清算書を作りますから外の椅子でしばらくお待ちください。出来たらお名前で
お呼びします」との事。清算書が出来たから降りてきたのに、なんて思いながらも、待つこと暫し、
名前を呼ばれて、清算書を見ると、後期高齢で3割負担、入院料145、医学管理料775、
検査5,400、包括入院料11,925 合計ポイント 18、245(総額182,450円)。
この3割54,740円と食事代1,800円(360円x5食)を合わせて合計負担額56,540円
今回差額ベッド代が零だったので、前回2011年11月の検査(窓際ベッド使用)の費用
70、880円に比べて少し安くなった。

今回の検査は結果的に安心料となったが、健康年齢維持のための出費としては必要な
出費だったと言える。
もうこれで、死ぬまで心臓検査の必要はなかろうと思う。

入院前の週金曜日(4月22日)にゴルフプレーの後、1週間運動らしい運動もせず、
4月26〜28日の三日間ベッド生活だっただけで、その後の足腰の力のなさを感じ、
健康年齢維持のためには入院生活を避けることの必要性を実感した1週間となった。

                           −  完 −