麦積山石窟 
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麦積山(ばくせきざん)石窟は、中国五大石窟の中でも塑像の殿堂、東方の彫刻館とも言われる石窟で、
甘粛省の省都蘭州から約300km離れた、緑に囲まれた天水市の東南約50kmにあります。
中国の石窟は西域北道を経て高昌国や敦煌から河西回廊、黄河に沿って西から東へと造営されて行ったそうで、敦煌の莫高窟は
五胡十六国時代の前秦の366年に創建、麦積山石窟はやや遅れ後秦の394年―416年頃に創建されたと言われています。

遠くから見ると麦わらを積み上げたような形から名付けられたそうですが、麦積山石窟は、海抜1700mにある高さ142mの孤峰の
切り立った崖に蜂の巣状に広がっている石窟です。

石窟は素晴らしい景観ですが、
急な階段を上り続けるのは脊柱管狭窄症患者にはとても厳しいものですが、登りきれた時の感慨は
ひとしおです。よくぞ登りきれたとの思いです。
麦積山石窟への駐車場です。

自然保護の観点から相当離れた場所に
駐車場が作られており、ここから途中
までは電動カートで、あとは徒歩で
麦積山の入り口に向かいます。

正面奥の小山が麦積山です。
麦積山の入り口になります。

こんな場所でも入口は自動改札の
システムです。
団体は一枚一枚入場券を差し込むことに
なります。

便利なようで、時間の掛る改札です。


下図は入場券です。

 

この入場券もガイドさんが集めるので、
手元には残りません。
門を入ると、このような電気カートが
待機しています。
勿論、歩いて登ることも可能ですが、
年寄りには有難いカートです。
カートの終点にはこのようなお店が
並んでいます。

ほとんどは地元の名物料理を並べた
お店が多いです。
工芸品なども並べています。

画面にポインターを置くと
お店の一つをご覧いただけます。
売店を通り抜けるとこの様な石碑に
出会います。石窟への入口になります。

ここから更に5〜600mを歩くので、
馬に乗るように勧める人がいます。
石碑のある場所から眺める
「麦積山」の全容です。
石窟の西側を望んでいます。
石窟は右の東側にも造られています。

海抜1700mの場所にある全高142mの
小山が聳えています。
上図の中ほどに見える石像の
拡大画面です。
石窟としては西寄りの部分になります。

この立像のほかにも大型の石仏が
東側にあります。
仏像一体の高さは15mほどあります。

ベランダ上の歩道にある門状の穴が
すべて石窟となっています。
大小色々とあります。

石碑から歩く道です。
道沿いには売店が並んでいます。

すべて、現地の少数民族のお店で、
彼らの主要な収入源だそうです。
登り切った場所に「瑞応寺」があります。

ここの境内から石窟へ登ります。
正面に見える石仏は東側の石像で
中央に阿弥陀像、左に観音像、
右に勢至菩薩です。
(詳細後出)
石窟への登り口です。

通路が狭いため、途中からは
一方通行になっています。

こちらにも戻れますあが、石碑に近い
出口への道もあります。
最初に出会う洞窟です。

規模は小さいものですが、こうした石窟が
全部で194個続きます。
(中国語説明書では窟合わせて221個と
書かれています。一つの窟に幾つかの龕が
あることからの違いでしょう)

勿論、すべてを見入ることは不可能です。

龕(ずし・がん)とは仏像を安置するために
掘られた洞穴のことです。

石窟にはこのような網が掛けられていて、
内部の撮影が難しくなっています。

石窟の内部をドアで全く見えなくしてある
石窟もあります。内部の損傷を防ぐ
ためでしょう。
通路はこのようなベランダ式の物で、
狭い階段を登ってゆきます。

切り立った山肌を感じられます。
ベランダの途中に幾つも
石窟が並んでいます。
網戸から覗く石仏群です。

制作された年代で石仏の顔つき、
表情が異なるそうです。

宋代の石像が一番ふくよかな顔を
しているのだそうです。
瑞応寺から眺められた石像です。

これらの石像は高さが16mあり、
最初、岩を削って大まかな形を作り、
土を塗って整形し、隆起する部分は
木の柱を穴に入れて土盛するのだ
そうです。

四角い穴はそのための穴だそうです。
阿弥陀仏は未完成状態になります。
この様に石窟には番号が振られています。

この石窟は北周(557〜581)の時代の
ものです。

画面にポインターを置くと網で見難いですが、
石像もご覧いただけます。
阿弥陀像などの近接した場所からの
眺めです。
表情がしっかりと眺められます。
彫刻というより、泥塑と呼ばれるようです。
削った岩肌に泥で成形したものだそうです。

阿弥陀像の上の階に行くと、このように
7つの龕に多くの仏像が並んでいます。

龕(ずし・がん)とは左図のごとく、
仏像を安置するために掘られた
洞穴のことです。

第9窟の仏像群です。

9窟の様子は下記のボタンから
お入り頂けます。
 
第9窟仏像群
こちらの千仏廊にある摩崖仏は
上下に彫られ96体が並んでいます。
五百羅漢のように自分に似た
仏さまがおられるとのことです。

この回廊の下には4段の千仏像が
彫られています。
後出の下から眺める画像で確認できます。
こちらは第4窟に並ぶ石像群です。

廊下の両側に阿修羅の阿吽が立って
います。
その上の祠にも仏像が彫られています。

廊下には7つの龕が並んでいます。

廊下は斯くの如き混みようです。

夫々の龕の中に各種の仏像が
並んでいます。

龕(ずし・がん)とは仏像を安置するために
掘られた洞穴のことです。

仏像の様子は下記ボタンから
お入り頂けます。

第4窟仏像群
上の廊下を下から見るとこんな風に
なっています。

中央上に7つの龕が並んでいます。

右下の阿弥陀石仏の右手には千仏が
彫られています。

その上の廊下は千仏廊です。

下段の瓦屋根は瑞応寺の本堂です。
上図の左側に見えるのが
第5窟の仏像です。

この仏像は隋代(581〜618年)に
造り始められ、初唐に完成しています。
別名「牛児堂」と呼ばれています。

左端の天王は足元の牛を踏んでいる
ことから名付けられたのでしょう。
  左は第5窟を斜めに眺めた画像で、
右は左端の像が踏みつけている牛の
像です。
石窟にはこのように金属の扉で
中に光が入らないようにしてある
物もあります。

この石窟は135窟で西魏(535〜557)
時代の窟です。

北魏(386〜534)の154窟内の
石像です。

北魏の石仏の顔はこのように丸味を
帯びており穏やかな表情の仏像が
多いです。

この仏像の背景にはまだ壁画が
残されています。

垂直に立つ壁に架けられた鉄梯子で
下ります。
皆さん、眺めを楽しむ余裕はなさそうです。
  左は西壁にある摩崖仏です。
最初に石碑のあるあたりから眺めた
仏像です。右側の仏像は壊れています。

右は西出口付近から眺める
壁面です。この廊下を歩いてきたと思うと、
感慨しきりです。
西出口から出てすぐに最初に見た石碑が
あります。

碑の裏面と、観光客目当てのお馬さんです。
電動カート乗り場付近から眺める
麦積山です。山の西側になります。
緑の網のかかっているあたりも修復中の
石窟がありそうです。

石碑は「麦積煙雨」と彫られています。
ここからの雨の日の景観を詠んだのでしょう。
再び、電気カートで戻ります。
カートで戻る途中に在った石碑です。

「麦積山国家地質公園」と書かれています。
やはり、地質学的価値もあるのでしょう。
出口まで戻ってきました。

麦積山石窟の観光もここで終了です。
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