亀戸(かめいど)周辺部
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元々の地名は「亀島」(または亀ヶ島、亀津島)で、この辺りはその名の通り
亀の形に似た島であったようです。
後に島の周辺に土砂が堆積して周りの島々と陸続きになり、
亀島は亀村と呼ばれるようになりました。
これが、現在の亀戸三丁目附近にあった臥龍梅庭の井戸「亀ヶ井」と混同されて
「亀井戸」と呼ばれるようになり、さらに「井」が取れて亀戸となったようです。

亀戸と言えば亀戸天神社でしょうか。梅と藤で有名です。今回5月の2週目に
行きましたが、今年の藤の開花が早く、この時期ではほとんど花が落ちていました。
また、亀戸大根はそれなりに知られていますが、練馬程ではありません。
亀戸大根を食べさせてくれるお店がちゃんとありました。

街中に立っている地図です。
画面の右上がJR亀戸駅、左端が浅草通りで、
江東区と墨田区の境界です。
また下段の横十間川より南は墨田区です。
この間に亀戸天神、普門院、香取神社が
有ります。
普門院のあたりが亀戸三丁目で
その左手に臥龍梅跡があります。
香取神社の拝殿です。
香取神社は665年の創建で、
藤原鎌足が亀の島に船を寄せて、
香取大神を勧請し旅の安全を祈願したのが
始まりと言われています。
社内には恵比寿、大国天も祀られており、
亀戸七福神にもなっています。
藤原秀郷が平将門の乱を平定した際、
戦勝のお礼として弓矢を奉納したことから
戦勝の神様にもなっています。
したがって、スポーツの神でもあり、
勝ち守りが売られています。
練馬大根は有名ですが、亀戸大根も
江戸時代にこの近辺で栽培され始め、
荒川水系の肥沃な土地により、良い大根の
栽培に適していたようです。
大根は30cm程度の短いもので、明治のころは
「おたふく大根」とか「おかめ大根」と呼ばれて
いたのが、大正期から亀戸大根と呼ばれるように
なったそうです。



下の三枚の写真は境内に祀られている
神様群で、香取神社に来ればいくつもの
神様を拝めるようになっています。
左は水神社、三峰神社、熊野神社の三社が
祀られています。
中は恵比寿神、大国神の社です。
右は稲足神社となっています。
これ以外に福神社、天祖神社もあります。
恵比寿神、大国神が見守る井戸は
元臥龍梅庭内にあった亀が井を
香取神社の氏子が境内に再現させた
ものだそうです。
この水を恵比寿、大国に注いで
幸せを祈念するようになっています。
香取神社の鳥居と神社前の商店街の
眺めです。
商店街は街灯にその趣を残すのみで、
閑散としています。
亀戸の街中からはスカイツリーが良く見えます。
新しいシンボルとなっているようです。
香取神社の南に「普門院」があります。
真言宗の名刹で、福聚山善應寺と号します。
1522年に創建され1616年に現在地に
移されました。

普門院内にある毘沙門堂です。
亀戸七福神の一つです。

下の掲額は毘沙門堂に架かっているものです。


普門院の境内には伊藤左千夫のお墓が
有りました。

通りに面した入り口には伊藤左千夫の墓の
案内碑が立っていました(下図)。


普門院の更に南寄りに亀戸天神社があります。
菅原道真の末裔が天神信仰を広めるため
1661年に本所亀戸村に有った祠に天神像を
奉納したのが始まりと伝えられています。
以前は九州大宰府天満宮の東の代表として
東宰府天満宮と呼ばれていましたが、
1936年に現在の亀戸天神社となりました。


2017年5月に再訪しました。この時は前回より
藤の花が残っていました。
その様子は下記ボタンからお入り頂けます。

亀戸天神の藤
天神社の太鼓橋からスカイツリーが
眺められます。
太鼓橋の欄干からツリーが伸びています。
太鼓橋です。大宰府の太鼓橋に倣って
作られています。この橋は男橋です。
過去を表わすそうです。
心字池に架かっています。

下は女橋です。カーブが男橋より少し
緩やかになっています。未来を表します。


平橋です。現在を表わしています。

亀戸天神らしく、池には亀が沢山います。
池の周辺は亀、亀、亀です。
ここの藤は有名です。
5月初めに行きましたが、この年の藤の開花が
早くて、既に散った後でした。
訪れたものを慰めるかのようにほんの少し
花が残っていました。

春の梅、初夏の藤、秋の菊とシーズンごとの
花が人を呼び寄せるようです。
藤の代わりにゴールデンシャワー??が
咲いていました。
池にはアオサギ(多分)も休んでいました。
暫くの間ピクリとも動かずに立っていました。
心池にある琴字燈籠です。
この名前は琴の絃を支える琴柱に
似ていることから、こう呼ばれています。

金沢兼六園の琴柱燈籠より大きい
そうです。
天神社の本殿です。
祭神は天満大神=菅原道真と
天菩日命=菅原家の祖神です。
本殿は1961年の鎮座300年祭に
再興されています。
1961年、鎮座300年祭に際し、
社殿の復興とともに奉納されたものです。
色んな部分が擦られて光っています。
5歳の時の菅原道真の銅像です。
昭和52年の御神忌1075年
大祭紀念として奉納されています。
鷽(うそ)の碑です。
例年1月24日、25日に行われる
「鷽替え神事」にちなんだもので、
1940年氏子により紀元二千六百年
記念として奉納されたもので、下部の
銅板には鷽の謂れが記されています。

うそ替えとは“うそ”は幸運を招く鳥
とされ、毎年新しいうそ鳥に替えると
これまでの悪い事が“うそ”になり
一年の吉兆(きっちょう)を招き
開運・出世・幸運を得ることができると
信仰されてきた神事です。

碑の前に並べられているのが
うそ替えの時に置かれた鷽の
彫り物です。
境内から眺めるスカイツリーは
新旧のマッチングが違和感なく
眺められます。
亀戸四丁目交差点にある
「升本」です。

升本では亀戸大根とあさり鍋が
味わえます。


お昼の食事の一例です。
手前にあるのが亀戸大根です。

残念ながらこの日はあさり鍋には
有りつけませんでした。
北十間川は江東区と墨田区の
境界です。
左手が江東区、右手は墨田区です。

北十間川に映るスカイツリーも
なかなかの眺めです。
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