九州鹿児島県 屋久島
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屋久島
屋久島は鹿児島の南の海上に浮かぶ島です。
向かいの種子島は火縄銃と宇宙ロケット発射場で
有名です。
屋久島は雨の多い島で、月に35日雨が降るとも
いわれ、又、九州最高峰でもある宮之浦岳(1936m)
はじめ結構高い山が並び、高温多湿地帯から亜寒帯に
至る植物相が垂直状態で存在する(垂直分布)ことから
日本で最初の世界自然遺産に指定されています。
島内には樹齢一千年を超える杉が沢山あります。
樹齢千年以上のものが屋久杉と呼ばれそれ以下の
杉は小杉、100年以下は地杉と呼ばれるそうです。
樹齢7500年と言われる縄文杉が有名ですが
この杉を見るには往復10時間の登山が必要です。
比較的楽にみられる高齢杉では紀元杉が樹齢3000年
と言われます。
北寄りに有る永田浜はアカウミガメの上陸・産卵数
日本一です。
宮崎駿監督が屋久島の自然を好み、「もののけ姫」を
はじめその脚本には屋久島の多くの場所が使われている
そうです。屋久島には空港も有ります。

屋久島は面積504.88㎢、
周囲132kmのほぼ円形の島です。
今回鹿児島南港から高速艇で
宮之浦港へ着き、帰りは
安房(あんぼう)から同じく高速艇で
鹿児島南港へ戻りました。
1日目は屋久自然館で屋久島
全体の展示を見ました。
2日目は島を一周し、白谷雲水峡、
ガジュマル園、いなか浜、屋久
灯台、西部林道、大川(おおこ)
の滝そして千尋(せんひろ)の滝を
見ました。
3日目は紀元杉、ヤクスギランドと
回り安房より鹿児島市へ出ました。
天気予報は三日間とも雨。しかし、
夜は大雨なのに、観光の時は曇り、
時には日差しも有り傘の世話に
全くならずに済みました。
屋久島は晴れのときより雨模様の方
がコケ類や樹木が美しいそうです。
紀元杉です。
標高1230mに有ります
樹齢は約3000年
高さ19.5m、幹回り
8.1mあります。
杉の上部は殆ど枯れた
状態で、杉に着生した
樹木が葉を茂らせて
います。
上部が折れる前は更に
5mほど高かったそうです。
栂、檜、ヤマグルマ、
サクラツツジ、ナナカマド
などなど、確認されて
いるものでは15種以上の
木が着生しています。



紀元杉の下の部分です。

ポインターを置くと
根に近い部分がご覧
頂けます。左下に居る人
の大きさから幹回りを
ご想像ください。
左は紀元杉です。
右は紀元杉の近くに有る
名前のつかない屋久杉
です。大きさは1/3位でも
幹の傍にいる人と比べると
そのの大きさが想像頂けると
思います。
紀元杉の有るところから
少し下った標高1000~
1300mの範囲に有る
自然休養林をヤクスギ
ランドとして遊歩道を
作って回遊できるように
しています。
数千年の森林の歴史を
見て回ることになります。

入ってすぐのところにある
「くぐり栂」です。
気根が左方向へ延びて
トンネルを作っています。
倒木はほとんどがコケで
蔽われており、コケの種類も
色々あります。
更に、シダ類が着生しており
雨上がりには色濃く
光っています。
倒木のみならず、立木の
殆どがコケ、シダ類に
蔽われています。
倒木の上に新たな苗木が
芽生えているのが見えます。
これを「倒木上更新」と
言うそうです。
年代を経て、この苗木が
大きくなり二次、三次の
森林を形成します。

このように規則正しく
並んでいる杉の列は
上の写真のように倒木に
芽生えた杉が大きくなり、
倒木は地下に埋没した
状態だそうです。

林の至る所に同じような
列が見られます。

古木が倒れ、日射が良くなり
若木が成長し、二次林が
形成されていく様子が
良くわかります。
ランド内に渓流があります。
屋久島は花崗岩で形成
されているので、土が少なく
渓流も岩の間を流れます。
そのため、水は澄み切って
おり、魚が住めないそうです。
岩には所々に甌穴が
見られます。(*)
左は杉に巻き付いたヤマグルマ
です。他の木には巻き付かず、
杉だけに巻き付くのだそうです。
幹深くに締め付けることから
「ヤマグルマの絞め殺し」と
呼ぶそうです。

右は「仏陀杉」と呼ばれている
屋久杉です。木の左に有るこぶが
あたかも仏が座禅を組んでいる
ように見えることから名付けられた
とのことです。
右上の写真のこぶの部分です。
以前はもっとそれらしく見えた
そうですが、すり減って変形
しているそうです。
それでも、確かに仏様に見える
ように思います。
左は江戸時代に切られた杉の
株から新しく別の杉が生えて
います。杉が地面から高い部分で
切られているのは、年貢用に
製材する平木は目が真っすぐで
ないといけないので、年輪の
曲がっている根に近い部分は
残して切ったものだそうです。

右は根っこの部分でくっついている
双子杉です。
これも多分倒木上更新の結果
だろうと思います。
宮之浦港から山方向に進むと
白谷雲水峡に出ます。
白谷川に沿って歩道が設けられて
おり何本もの大杉を見ることが
出来ます。

写真は白谷雲水峡への入口です。
見える滝は白たえの滝と
呼ばれています。
花崗岩で形成されている谷は
水の流れが速く、小さな滝が
至る所に有ります。
水源の森百選に選ばれています。
渓谷を奥へ進むと「憩いの大岩」
と呼ばれる岩場に出ます。
写真よりは斜度は大きく
なぜ憩いなのか良くわかりません。
この大岩を登って行くのが
遊歩道のルートになっています。
飛流おとしと呼ばれる滝が
あります。
岩場を流れ落ちる滝は
奔流となっています。
雨の後は水量が多く
迫力満点です。
屋久島らしい、コケやシダ類で
蔽われた樹木と奔流。
同じような景観が続いても
飽きることのない変化のある
眺めです。
宮崎駿監督の「もののけ姫」の
舞台となった峡谷で
苔むす森そのものです。
(*)
ポインターを画面に置くと
別の苔むす森がご覧いただけます。
日本の巨樹巨大百選に選ば
れている「弥生杉」です。
樹高26.1m、周囲8.1m、
樹齢約3,000年
見学者が根元の周りを歩いた
ため頂上部は枯れ始めており、
木も弱っているそうです。
最近は遊歩道を作り、根元へは
入れないようにして保護して
います。
樹肌が茶色の木があります。
他の木はどれもコケやシダ類で
蔽われていますが、この木は
殆どコケがついていません。
ヒメシャラです。この木は苔が
肌に付くのを嫌がり、自ら皮を
落として苔が付着するのを避けて
います。
サルスベリ(百日紅)も同じく
自分で皮を落とすそうです。
ヒメシャラは細い木かと思って
いたら、幹回り1m近いものまで
有りました。(*)
屋久島には大きな滝が二つ
あります。そのひとつが
大川(おおこ)の滝です。
日本の滝百選の一つです。
水量が少ない時は奥の滝1本
ですが、水量が多い時は2本に
なり、更に多くなると二つが一つに
なって太い滝になるそうです。
滝の高さは88mあります。
近くで見た滝が裏画面に有ります。
千尋(せんひろ)の滝です。
落差は80mあります。
手前左の岩盤は200mx400mの
一枚岩です。
このため、滝を近くから見ることが
できません。
この滝が日本百選に選ばれ
なかった理由の一つだそうです。
さらに、屋久島内で二つの滝は
選べなかったようです。

(*)裏画面に拡大写真があります。
屋久島には多くの動物が生息
しています。
中でも、屋久鹿と屋久猿は
頻繁に姿を現します。
ただ、人を襲ったり、食物を
荒したりすることはないそうです。
動物の数に比べ食物が多いため
と思われます。
最近は鹿が増えており、食害の
問題も可能性として考えられる
ので、その調査は進められて
いるそうです。
(*)裏画面に雄鹿がいます。
バス道路沿いにおさるの
ファミリーが日向ぼっこを
していました。
ここのさるは少し小振りの
おさるでした。
屋久島の北部、志戸子に
ガジュマル公園があります。
ここはガジュマルの自制北限地
でもあります。
園内には樹齢100年以上の
ガジュマルが気根を一杯
出していました。

(*)裏画面に大ガジュマルが
あります。
西海岸沿いに西部林道が
あります。
車がすれ違えない程の幅の
道が続いています。
屋久島が世界自然遺産に指定
される原点がこの辺りに
あります。
すなわち、海岸線から
国割岳への斜面に
植生の垂直分布が見られます。
この山の斜面が世界自然遺産に
指定されています。
屋久杉の資料を展示している
屋久杉自然館があります。
ここには折れた縄文杉の枝が
展示されていました。
これでも枝です。
この自然館には屋久杉の歴史
が判る様に展示されています。

屋久島と言えば屋久杉工芸品
が有名です。
この工芸品に使われる杉は
土埋木と言われる自然に折れた
屋久杉を入札で購入し
10年以上乾燥させてから
工芸品に使うそうです。
お昼に屋久杉の食器を使った
食事をしました。
ちなみに、屋久島の食材では
飛び魚と鯖が特産だそうです。

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