蟹が出る前に前菜から幾つもの料理が出ました。
上左から、前菜、蒸エビ、鶏肉、タニシ、イカと雪菜、
蒸時魚、菱の実と銀杏、蟹みそと豆腐、鯉のから揚げ、
茶卵と肉団子(皿の上の丸いの二つ)、冬瓜と魚肚の
スープ、

下左は雌の上海ガニ、右はオスの上海蟹。
その下、左からオスメス各一杯を食べました。
蟹の裏側、丸いのが雌、尖がってるのは雄。
この時期、メスの方がみそが多く、11月以降は
雄の味噌が多くなります。
右端は食べた後。「蟹が蟹に返る」と言います。
  上海の風景  上海の風景4   中国の風景  世界の風景
今回は元の会社の上海滞在中の後輩たちが開催しているゴルフコンペと、その後の上海ガニの宴席に参加するのを
目的に2015年10月に上海を訪れました。前回は2012年6月に来ましたので、3年ぶりになります。
外灘や南京路は前回に回ったので、今回は昔住んでいた旧廬湾区(現在は黄埔区)界隈と郊外の嘉定市を
回ることにしました。前回は昔の仲間と一緒でしたが、今回はゴルフ以外は一人で廻ることにしました。
好きな場所へ好きな時に出かけるという旅です。
旧廬湾区は五里橋街道、打浦路街道、淮海中路街道、瑞金二路街道の
四つの区分が有り、淮海中路と瑞金二路周辺が最も繁華な街です。
旧廬湾区は2011年に黄埔区に併合されています。
旧廬湾区は東は重慶路、西はウルムチ路、
北は長楽路、南は黄埔江で囲まれる地域でした。
特に、淮海中路は南京路同様の賑やかな通りで、
元は南京路はお上りさんが買い物をする場所、
淮海路は上海っ子が買い物をする場所と
言われていました。

現在も、洒落たお店の多い通りになっています。

地下鉄の最寄駅は陝西南路駅で2号線と10号線
の駅が有り、両駅は地下で繋がっています。

現役のころの職場は瑞金大廈にあり、
宿舎も1990年代は同じビル内にある
マンションでした。
隣は蒋介石が好んで使った「瑞金賓館」で
庭の素敵なホテルです。

瑞金大廈を挟んで茂名南路の西側には
元ドッグレース場跡が体育館として使われて
いましたが、現在は公園と文化会館が
あります。

淮海中路の北側には花園飯店(ホテルオークラ)
や錦江飯店などの有名なホテルが建っています。
今回この辺りを懐かしの旅してきました。
成田空港の待合室には
爆買いしたお土産を機内に持ち込む
中国人の観光客が一杯いました。
何時もは富士山の南を飛ぶのに、
今回は北側を飛びました。
そのため、富士山が見られず、
紅葉した八ケ岳連峰が見られました。
上海市と崇明島を結ぶ斜張橋が
遠望できます。
長江(揚子江)の上を渡る橋で
2015年10月末の開通予定です。
世界でも5番目の斜張橋となる
予定です。

長江の水は褐色で、所々に
流れの加減か黒っぽい水が渦を
巻いています。
エンジンの部分に見えるのが
その水の部分です。
上海浦東空港も拡張されていました。
このターミナルとは反対側にある
古いターミナルに入りました。
今回はリニアモーターカーを利用せず、
地下鉄で市街地まで出ました。
途中の駅で全員が乗り換えになるのを
聞き逃し、みんなが降りた後に慌てて
反対側の車両に乗ったので
結局座れませんでした。

前回は若い女性がすぐに席を譲って
呉れたのですが、今回はほかの
地下鉄でも殆ど席を譲ってもらえず、
万博効果も5年しかもたなかったようです。
浦東空港から乗換駅の間は
ご覧のように結構空いていました。
お金のある人はリニアカーを
利用するのでしょう。
また、荷物のある人はタクシーで
市街まで出るようです。
上海のホテルにチェックインして、
すぐに昔住んでいた地域に
出掛けました。

此処は淮海中路と茂名南路の
交差点にある国泰電影院の前です。

左手に錦江飯店、花園飯店が有ります。
淮海中路です。直進すると
黄埔江まで出られます。

この通りの下を地下鉄1号線が
走っています。
茂名南路です。
右手は錦江飯店の付随商店街で
左は花園飯店の塀になります。
花園飯店です。
正面の古い建物は元フランスクラブ、
その後、錦江倶楽部と言われた
建物で、その後ろに花園飯店の
本館が佇立しています。

右手奥に見えるのは錦江飯店北楼です。
花園飯店の南側は大きな庭園に
なっており、自由に出入りできます。
休日には多くの一般市民が散歩を
楽しみます。
久し振りに花園飯店のカフェテラスで
休憩しました。
コーヒーとチーズケーキで110.4元
(日本円で約2,300円)で、為替の
関係もありますが、結構高価なお茶代と
なりました。
それでも沢山の中国人がいました。
20年前に比べれば相当裕福になったと
言えましょう。
花園飯店の向かいにある錦江飯店です。
左手の高い建物は北楼で、一時、ここに
住んでいたことが有りました。
右手は錦江ホールで、昔此処でNHKの
紅白歌合戦のビデオを見たことも
有りました。
淮海中路から南下する
茂名南路です。
昔とさほど変わっていませんが、
商店は瀟洒な装いになっています。

並木は昔のままでした。
通りの途中にあるアパートも
綺麗になっていました。
現役のころに仕事場だった瑞金大廈
です。
この下部に有ったマンションにも住んで
いました。

その頃はこの辺りは公園ではなく、
ドッグレース場の跡地で体育館や
留学生の保証関係を扱う事務所などが
立ち並んでいましたが、現在は公園と
なり、下のような立派な建物も
建てられています。
上海文化広場です。
確か、ここには古い体育館が有り、
日本から来た芸能人のリサイタルなども
開かれていました。

見違えるような建物になっています。
瑞金大廈の横の通り復興中路に
ある「永興餐庁」です。
良くここで食事をしました。
清蒸昌魚(マナガツオの蒸し物)が
大変美味しかったです。
今回もそれを食べたかったのですが、
満席で場所無しと言う事で食事は出来ず、
老板娘(ママさん)もまだ来ておらず、
完全な空振りとなりました。

画面にポインターを置くとお店の前が
ご覧いただけます。
20年前のままです。
瑞金大廈の傍に有る「瑞金賓館」です。
庭園式のホテルで、園内に1~5号館が
並んでいましたが、現在は少し
異なっているようです。
レストランも昔の物はなくなっていました。

此処のレストランの小篭包子は特別に
美味しかったです。
たまに遊びに日本から来た息子や娘が
20個入りの小篭をペロリと平らげた
ものです。

画面にポインターを置くと
昔の1号館をご覧いただけます。
此処には蒋介石も住んでいたことが
有ったそうです。
上海体育館の周辺です。
昔のシェラトンであった華亭賓館が
正面に見えます。
その前を高架道路が走っていますが、
20年前にはこの道路はなく、
広々とした空間が広がっていました。
上海体育館の中にあるホテル・
オリンピッククラブの一階には
「吉祥」と言う和食の店が有ります。

この店は昔は別の橋にありましたが、
現役のころには良く利用した店です。

すっかり様変わりです。
上海体育館の暮色です。
嘉定区周辺の風景
嘉定区は上海の西北にあり、郊外と言えます。ただ、住宅が増え、交通が便利に
なり、多くの通勤者が居住地として求めてきました。元は江蘇省嘉定県で1958年
に上海市に管轄が移され、1992年に嘉定区となりました。
嘉定区には昔お得意さん向けの商品を作っている
工場が有り、良く来たものですが、街の中はあまり
歩いていないので、今回の機会にうろついてみました。

昔は車でなければこれなかったのが、今は地下鉄で
わずか3元(約60円)で来れる様になりました。

地下鉄11号線の南翔駅から1.5km位の所に、
南翔老街と呼ばれる古い町並が遺されています。
そのそばには留雲禅寺が有り、掘割により
水郷の雰囲気も持っています。

更に、駅と老街の間に「古猗園」と言う明代に作られた
庭園が有ります。ここは小篭包の発祥地で、庭園の傍に
お店が並んでいます。
最も古いのは古猗園小篭包店ですが、
うっかり、その手前の店に入ってしまいました。

もう少し時間をかけてゆっくり歩けば良かったと
思わせる街でした。
地下鉄11号線の南翔駅です。
上海市内から3元です。
時間は50分くらいかかります。
駅周辺部は高層マンションが
林立しています。
利便性が向上したためでしょう。

民主東路の入口には南翔老街への
案内板が有りました。
民主東路の途中には
古い家が結構残っています。
老街の手前の交差点には
六角亭が有ります。
老街からこの通りの奥に出て
来られます。
民主東路のお店の前で
店員さんが朝礼と体操をしています。
この店のみならず、あちこちで
やっています。
主として、美容院、不動産屋さんが
多いようです。

画面にポインターを置くと
別のお店の前での朝礼風景も
ご覧いただけます。
民主路から入る留雲禅寺入り口です。

両側には駐車場や商店が並んでいます。

参道にはお店以外にも個人で
何かをやっている人も多いです。
線香なども売っています。

留雲禅寺の詳細は下記ボタンから
お入り頂けます。


留雲禅寺
留雲禅寺の傍に「檀園」と言う
庭園が有ります。
此処は明代の芸術家李流芳の
私邸でした。
清朝に変る際に破壊されたため、
総てがなくなりました。
2011年に元の庭園を復元すべく、
再興されました。
従い、現在の建物はすべて新しく
作られたもので、歴史的遺産は
遺されていないようです。

園内で出会ったインド人を案内していた
中国人が、「ここは総てが偽物だ」と
嘆いていました。
確かに偽物と言えますが、閑静な
佇まいと、復元された庭はそれなりに
見る価値はありそうです。

檀園の全体です。
詳細は下記ボタンからお入り頂けます。

檀 園
南翔老街の中心となる南翔寺双塔です。
お寺はなくなり、塔だけが残っています。
南翔寺は創建が502~620年頃と言われ、
唐代に拡張され、五代・宋の時代に双塔が
建てられています。清朝の1776年に
大火により寺院は消失し、双塔も損害を
受けたものの、何とか形を残し、1986年に
全面的に修復され、今に至っているようです。また、塔の傍には山門跡が残されており、
山門は1037年に建てられ、1776年に
焼失しています。その跡が2008年に
見つかり、現在その一部を見られるように
なっています(下)。




梁朝井と呼ばれる井戸跡です。
505~515年に造られています。
形状から八角井戸とも呼ばれます。

ガラスで覆われていますが、
その隙間からお賽銭を滑り込ませ、
井戸に落ちれば願いがかなうと
言われており、多くの賽銭が
散らばっています。
老街を囲む堀に架かる石橋です。
「報済橋」と書かれています。
老街への入口になっています。
橋から眺める堀に沿って並ぶ
老街の建物群です。
老街の人民路です。
石畳が続く古風な街並みです。






下は、八字橋と呼ばれる場所です。
左手の隆興橋、中央の太平橋、
右手の吉利橋の三つの橋に
四本の川が流れることから名付けられた
そうです。

太平橋の上から尚賢廊(右手)を
眺めています。
吉利橋と生産街の眺めです。
上海の周荘などの水郷は明、清時代に
形成されていますが、南翔は宋代に
作られたもので、歴史的には1千年以上
となります。
南翔老街より地下鉄の駅に戻る途中に
「古猗園」があります。
明代に作られ、上海では最も古い
庭園です。

此処は北門になります。
民主東路に近いのでここから
入りました。

園内を歩いているともう一か所
入口が有りました。南門です。
門の規模からみても、こちらが
正門のようです。

古猗園の詳細は下記ボタンから
お入り頂けます。


古猗園
楽しみにしていた南翔小篭包を
この店で食べました。
良く確かめずにはいったら「頣縁居」
となっていました。
思っていた店は「古猗小篭包」で、
でもまあ、中身は大差ないだろうと
食べてきました。
まあまあでしたが、包子の中の
スープが少なかったです。
蟹粉小篭包を注文しました。
10個で25元(約500円)です。
スープは酸辣湯ですが、これは
頂けませんでした。量ばっかり多くて
味は全くなし。

南翔から地下鉄で更に先の終点である
嘉定北駅まで行き、嘉定旧城内を
散策してきました。

旧城内を取り巻くように嘉定城河が
流れています。
街を十字に掘割が作られています。

旧城内の中心部に老街が残されています。
老街の中心には法華塔が有ります。

老街のすぐ近くに「秋霞圃」があり、
そのそばには嘉定博物館もあります。
地下鉄11号線の終点(11号線は
途中で分かれてもう一方は花橋が
終点です)嘉定北駅です。

田舎町んしては瀟洒な駅が
建てられています。
駅前はまだ開発中で
色々なビルが建設されています。
駅から5分くらいの所に
上海交通大学医学部付属の
嘉定教学医院があります。

非常に大きな病院です。
写真の左端から右端までが
病棟で、左側にはまだ建物が
続きます。
嘉定旧城内を取り囲むように
嘉定城河が流れています。
その河に沿って環状道路が
作られています。
新しいマンションも建っています。
城内の城中路です。
中心部を通っています。
並木と歩道が整備されています。
城中路から少し入った温宿路の
様子です。
オートバイ、小店、マンションの
ベランダから延びる物干し竿は
まさに中国の象徴です。

画面にポインターを置くと
お店の前で遊ぶことも達をご覧
頂けます。
温宿路から博楽路へ入ると
嘉定博物館の白い壁が続きます。

此処が入り口になっています。
今回は内部は見ませんでした。
博物館の奥には「秋霞圃」が
あります。

秋霞圃は1502年に明代の工部尚書
襲弘氏の私邸として作られ、広さは
3haほどあります。

此処は入口にある城隍廟大殿です。
元は独立した廟でしたが、秋霞圃の
一部に合併されています。

秋霞圃は1987年に一般開放されて
います。
園内の様子です。
池、植栽、建物が配置されています。
白壁と回廊が庭園の規模を
大きく見せています。
園内ではお年寄りが集まって
お茶を飲みながらだべっています。
どこの国でも、年寄りが時間を過ごす
場所が必要なのでしょう。

画面にポインターを置くと
トランプゲームを楽しむ別の
グループもご覧いただけます。
菊の花が池の縁を彩っています。
中国式の園林が作られています。
石組みと菊のコラボです。
城中街に出ると法華塔が見えます。
1205年の創建です。
高さは40mあります。

旧嘉定城の中心地となります。
柳に囲まれた前庭から眺める
法華塔です。
運河には石橋が架けられています。
上海南部の水郷とはまた違った水郷の
風景です。
嘉定老街の一部です。
白壁と瓦屋根が江南の風景を
醸し出しています。
陽澄湖蟹宴
今回の旅行の目的が上海ガニでした。昔の会社の後輩たちとゴルフコンペの後、
昆山市にある有名な蟹の産地、陽澄湖湖畔のレストランで上海ガニを楽しみました。
湖畔に近いこの辺りは上海ガニのレストランが林立しています。ちょっとけばけばしい外観ですが、多くの客を集めています。
その中の一つ、「紫珍苑」で
蟹パーティが開かれました。

在上海の後輩たちが毎年ここで
コンペの後のパーティを開いて
いるのだそうです。

このレストランの上海蟹養殖場が
あるようです。
レストランの内部はちょっと暗くて
良く見えません。
上海虹橋地区
昼の蟹宴のあと、夜は仲間と虹橋地区にある「鼎泰豊」と言う台湾系のレストランで
食事をしました。ついでに、この辺りの夜景も楽しんできました。
地下鉄「中山公園」から一駅、
娄山関路駅から南へ向かいます。

イルミネーションに輝く通りには
新しいビルが建っています。
高層ビルも照明に浮かび上がります。
洒落たスタイルのビルが数棟
並んでいます。
その内の1棟(左から2番目に
見えるビルです)の中に目的の
「鼎泰豊」が入っています。

左はビルの全景、ちょっと変わった
形のビルです。

右上はそのビル内の様子です。
ブランドショップが並んでいます。

右下は鼎泰豊の店先です。
沢山の人が席待ちをしています。
順番票が渡され、番号を呼ばれるの
待ちます。

意外に早く番号が呼ばれました。
店内は広々としていて、
雑然とした感じはありません。

壁には有名人でしょうか、似顔絵と
その人のサインが大きく描かれて
います。

中国内の中国料理店とは趣の
異なる内装です。
上左:前菜(キクラゲと枸子、牛筋、イカ)、上中:野菜蒸餃子 上右:空心菜、下左:南翔小篭、下中:エビ小篭、下右:担担麺 いずれも美味です。
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