浙江省
中国
浙江省は華東地区の中央に位置し、古くから栄えた地域で、
春秋戦国時代から陣取り合戦の対象地となっていました。
特に、会稽山の呉越の戦いは有名で、「臥薪嘗胆」の地でもあります。

省都の杭州は「天に極楽あり、地に蘇杭あり」と言われたように、
美しい街です。市の中心には西湖があり、春夏秋冬夫々の顔を見せてくれます。
浙江省はお茶の生産で中国一です。
浙江省の寧波は古くからの商都でありまた、古くから日本人が訪れた街で
空海もここから中国に入っています。
蒋介石はここの生まれで生家が今も残されています。
温州ミカンで有名な温州は現在は商売人の街で、中国一の商売人と
言われています。
スープに入れると良いだしの出るハム、金華ハムも浙江省金華の産です。
また、お酒では紹興酒の産地紹興も杭州と寧波の中間に位置しています。
紹興は魯迅の生地としても有名です。
いずれの街も過去に訪れたことがありますが、あまり写真は残っていません。
紹興と最近何度か訪れた杭州市のみ掲載しています。
杭州市 杭州市2 杭州市3(蕭山区) 紹興市 西塘・烏鎮(水郷)
杭州市
今回は仕事で杭州へ行きました。時間の制約があり、久し振りに杭州の街を歩くことは叶いませんでしたが、
少しの時間を利用して西湖遊覧をトライしました。暑い日でした。杭州市は西湖の周辺は殆ど変っていなかった
のですが、市内、特に蕭山区(旧蕭山市)は全くの様変わりで、過っての田舎町はまさに近代都市に変貌していました。
西湖周辺の地図です。
ちょっと見難いですが、西湖は中央に三つの島があります。
一番小さい湖心亭、二番目の阮公燉、
一番大きい三潭印月のある小瀛洲です。
小瀛洲には船で渡ります。
西湖は一番深いところで3m程度、平均1m程度の水深です。
湖は白居易が作ったという白堤、蘇東坡の手になると言われる蘇堤で
区切られています。
西湖は「雨の西湖は晴れの西湖に勝り、雪の西湖は雨の西湖に勝る」
と言われ、雪の時が最も美しいようです。
西湖遊覧
朝の北里湖です。
正面の堤は白居易が手掛けた
と言われる白堤です。

後ろの山は呉山、塔は城隍閣です。
左手が杭州市の中心地になります。
白堤の奥に市街地の眺めです。
石の橋は錦帯橋です。
この左手に有る橋は断橋と呼ばれ
「断橋残雪」は西湖十景の一つで、
雪解け時期の西湖の美しさを讃えています。
ローラースケートで朝の散歩をする集団が
結構いました。
最近の中国の流行なのでしょうか。
昔ながらの健康体操するお年寄りも
沢山いました。

一面のハスが丁度見ごろを迎えていました。

画面にポインターを置くと蓮の様子をご覧いただけます。
北里湖畔から蘇堤を眺めています。

石造りの橋(西冷橋)が西湖の風情を
倍加させています。
左手の建物は西湖美術館です。
蘇堤は1089年に当時の地方官であった
蘇東坡が築いたものです。
彼が好んだと言われる肉料理「東坡肉」は
杭州の名物料理になっています。
岳飛廟(後出)の前にある岳湖から
蘇堤の眺めです。橋は東浦橋です。
岳湖周辺には島めぐりの船乗り場や
「印象西湖」と言う西湖風景の展示室、
盆景の庭などがあり、楼外楼飯店の分店も
出ています。
盆栽園の入り口にある盆景です。
ハスに埋まった岳湖と曲がり橋です。
岳湖の前にある岳王廟です。
南宋の武将であった岳飛は、高宗の信頼が
絶大であったため、これを妬んだ秦檜や
張俊に誅殺されました。
その後、冤罪が判明し、1204年に顎王に封じられ、
1221年に杭州に岳王廟が作られました。
境内にある本堂に祀られている岳飛像です。

上の額の「還我河山」は岳飛直筆の書です。

岳飛の墓です。
岳飛の墓の前には(左)王天と秦檜が
(右)万俟离と張俊がさらし物にされています。

王天は秦檜の妻です。
万俟离は岳飛を取り調べた秦檜の部下です。
岳湖の船乗り場から三潭印月を見にゆく船に
乗船しました。
船は前方の蘇堤銙虹橋をくぐりぬけて西湖に出ます。
西湖を船で行きます。
右の島は阮公墩、左は湖心亭です。
中央奥にあるのが小瀛洲です。
この日も沢山の小舟が出ていました。

乗合船は各拠点から結構沢山出ており、
小瀛洲に渡ると戻りは好きな場所に戻れる
ようになっています。
小瀛洲は島の中に島があると言われ、
丁度島津家の紋のように島の中に池があり、
十の字に道がついています。
湖の中にあるのは蘇東坡が建てたと言われる灯籠で
五か所に穴があり、満月の折に灯籠に灯を入れると
三つの灘に月と明りが相和すと言うことから
「三潭印月」と呼ばれています。

残念ながら満月の時に来たことがないので
どんな状態かは知りません。
後ろの塔は「雷峯塔」と呼ばれており、
元は977年に建てられたが、1924年に倒れ、
その後、2000年に現在の塔が再建されています。
白堤の西よりにある「光華復旦」牌坊です。

元の「万福来朝」を、孫文が1927年に中山公園を
作った際、「復旦光華」に書き変えたものです。

2005年に再建されています。
この通りには楼外楼や西湖美術館、中山公園、
西冷印社などが有ります。

白堤の西詰に建っている「秋瑾」の像です。

多分現在の中国人で知っている人も減って
来ているのではと思いますが、清朝末期の
女性革命家で日本留学のち、浙江省で活動、
1907年武装蜂起の計画を当局に察知され
同年7月に処刑されました。31歳でした。
詩人でもあり、日本人にもなじみ深い人です。
簫山区  蕭山区は元蕭山市が杭州市に包括されたものです。
杭州市から銭塘江を渡ったところにあり、昔は本当に田舎町でした。
科技開発区として発展している蕭山は
新しいビルが林立し、かっての面影は全く
なくなっていました。
日本からも東芝等の企業が結構進出
しています。
蕭山にはミニ西湖と呼ばれる湘湖があります。
奥の山には寺院が建てられていました。
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