島根県安来
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津和野 出雲 松江 岩見
安来市と言えばドジョウ掬い。駅前にドジョウの店が有ったようだけど、ここは水曜日が
休みで残念〜。

安来市は鳥取県に接する、島根で一番東寄りの街です。人口は約4万人強。
弥生期の製鉄遺構が竹ヶ崎・柳遺跡で見つかっているため、これらの鉄が
当時鉄不足であった大和地方へ供給されヤマト朝廷建国の原動力となったという説もあります。
現在も日立金属が安来市で鉄鋼生産を続けています。
たたら製鉄の資料館として「和鋼博物館」もあります。

近年有名になったのが「足立美術館」でしょう。横山大観の作品もさることながら、美術館の庭園が
素晴らしく、米国の庭園専門誌「ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング」で13年連続で
日本一に選定されています。

市の北東部には清水寺があります。587年(用明天皇2)に尊隆上人により開かれた天台宗の寺
です。盛時には僧坊48を数え、山陰隋一の伽藍を誇っていましたが、尼子・毛利の戦火に遭い、
現存の根本堂を残して全焼しました。その後、松江藩の庇護の下で復興され、今に至っています。

今回は上記三か所のみ回りました。

足立美術館
足立美術館は1970年(昭和45)の秋に地元出身の実業家・足立全康が開いた美術館です。
百姓の息子から大阪の商人となり、その私財を投じて故郷に5万坪の庭園を持つ美術館を設立しました。
大阪時代に横山大観の絵に心酔し、120点のコレクションを持ちました。それ以外にも近代日本画壇の巨匠の
作品を約1,500点所蔵しています。これらは庭園の四季に合わせ、年に4回展示替えしています。
足立美術館の玄関です。
両側は庭園に続いています。

内部の絵画や陶器の作品は撮影が
禁止されています。

但し、館内から眺める庭園の撮影は
自由です。
入口左手に有る、「歓迎の庭」です。

来訪者を迎えるための庭でしょう。
白砂は水の流れを表わしているようです。
入口右手にある庭です。
苔庭になっています。
玄関を入った所から眺められる
手前、苔庭と奥に枯山水です。
左手の建物は本館へのアプローチです。
苔庭です。
本館へのアプローチの途中に有る
茶室「寿立庵」です。

この日は朝が早くてまだ開館されておらず、
内部を見ることは出来ませんでした。
抹茶を頂くと内部が見られます。
茶室の外壁と茶室がアプローチの廊下の
窓から一幅の絵のように見えます。
茶室と廊下の間に造られている
流れのある庭です。
本館への入口です。

本館への入口の前に
足立全康翁の銅像が立っています。
画面にポインターを置くと像をご覧
頂けます。
本館ロビーから眺める
「枯山水庭」です。
山を借景とし、中央部の立石を険しい山と
みたて、そこから流れて來る瀧水を
砂と岩で表現し、最後は大海に流れ込む
様子を表現しています。
この庭が主庭となります。
上の写真の右寄りに有る四阿と
築山と水の流れです。
奥に見えるのは人工の滝「亀鶴の滝」です。
1978年(昭和53)に開館8周年を記念し
開瀑されました。
館内の窓から眺める庭園です。
大小の木や石がバランスよく配置され
あたかも琳派の絵のようになっています。
「池庭」です。
池には多くの鯉が泳いでいます。
「白砂青松庭」です。
本館2階へ上がる階段の手前に
富田憲二の「女と猫とヴィオロン弾き」
の彫刻が飾られています。
本館二階の窓から眺める富田城跡です。
中央奥より台形の山(月山:標高197m)です。

尼子経久の時代が最も栄えたそうですが、
1611年(慶長16)に、堀尾氏が松江に
築城し移ったため、富田城は廃城となりました。
正面玄関の受付から見る庭園です、
和鋼博物館
和鋼博物館は、1946年(昭和21)開館した日立製作所安来工場(現日立金属)付属の
展示施設「和鋼記念館」を基礎として、1993年(平成5)4月に日本の伝統的製鉄法「たたら」
に関するわが国唯一の総合博物館として開館しました。

「和鋼博物館」です。

鉄の積み出し港だった安来港の近く、
古来、奥出雲で「たたら」という
製鉄法によって生み出された鉄の
歴史や文化、産業をわかりやすく
展示してあり、展示品は国の重要
文化財に指定されているものが
殆どだそうです。

と言うのは、水曜日が旧館日で
折角来たのに館内を見ることが
出来ませんでした。

島根では火、水、木に休むところが
多いようです。どうしても、土日に
お客が集中するので、休みが
週中になるのだそうです。
庭に展示されていたたたら製鉄の
半製品です。

左はインゴット(鋳塊)です。
この状態から圧延します。

右はヒ(けら)と呼ばれるたたら吹き
製法で砂鉄から作られた海綿状粗鋼です。
1912年の物です。

庭内に展示されている蒸気機関車。
日本中を走り回ったこのD51型蒸気機関車は
小生と同い年です。
走行距離228万6035km、地球57周です。
1985年(昭和50)に廃車となっています。
2016年現在76歳。
安来清水寺
和鋼博物館が休館のため、急遽目的地を変更して、山陰一の寺院、安来清水寺を訪れました。
駐車場から本堂までの距離が長く、ちょっと大変でしたが、山陰地区で唯一の三重塔まで辿り着き、
古刹の雰囲気を楽しんできました。
清水寺への入口です。
駐車場からここまで結構あります。

587年に開かれた当時、この辺りは
一滴の水も出なかったそうですが
七日間祈願したところ聖なる水が湧き出し、
しかもその水が雨期にも濁ることなく、
乾期にも枯れることなく常に清い水を湛えた
ことから清い水の出る寺、清水寺と
名付けられたと伝えられる天台宗の古刹です。
大門です。

この門とは別に「仁王門」がありますが、
ルートが異なり、今回は立ち寄れません
でした。
大門の左手崖に不動尊が置かれています。
「岩不動」です。
結構険しい岩山の上に鎮座されています。
参道を登ってくると右手に「お出迎え観音」が
鎮座しています。信者さんの寄進された
新しい観音像です。
参道を登る途中でお迎えを受け、疲れが
取れるのだそうです。
ここにも観音様が立っています。
参道を登ると弁財天が有ります。
ここから根本堂まであと一息です。
根本堂への階段の手前の広場です。

右上が根本堂、その前は高灯籠、
左手は売店で、その上に三重塔が
見えています。
根本堂です。

1393年(明徳4)の建立で、
国指定の重要文化財です。
ご本尊は厄除けの四臂十一面観音で
秘仏です。

画面にポインターを置くと
本堂内部をご覧いただけます。
根本堂の西にある毘沙門堂です。

毘沙門像は見えませんでした。

後ろの屋根は鐘楼です。
鐘楼です。

一打50円で鐘を撞くことが出来ます。
二打撞いてきました。

画面にポインターを置くと鐘を
ご覧いただけます。

「宝塔」の三重塔です。
山陰地方では三重塔はここだけです。
下図は正面からの姿です。
土日なら塔内に入れます。水曜日はだめでした。


三重塔の石垣の上からの眺めです。
正面は桜の木ですが、未だ蕾状態でした。
途中に稲荷社へ抜ける道があります。

画面にポインターを置くと
稲荷社の社殿をご覧いただけます。
お昼は駐車場横に有る「ゆう心」と言う
お茶屋さんで精進料理を食べました。

左は胡麻豆腐定食、右は天ぷら豆腐定食。
味の濃い胡麻豆腐と、やや硬めの豆腐で
胡麻豆腐はこの店が自製しており、
豆腐は専門のお店からの仕入れだそうです。
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